2019年2月5日にフジ・メディア・ホールディングスは、2019年3月期第3四半期の決算を発表した。このうちメディア・コンテンツ事業に属する映像音楽事業会社のポニーキャニオンは、引き続き減収赤字となった。
売上高は243億6000万円(2.4%減)、営業損失は2億1900万円である。損失は計上したものの損失幅は前年同期の4億1900万円より改善した。在庫の廃棄損や評価損が減少するなど、これまで進めてきた原価のコントロールの成果が現れたかたちだ。
しかし映像パッケージ部門が厳しくかったことから、売上高は微減だった。イベントやチケット・グッズ販売、さらに音楽と映像両方の配信は好調だった。映像部門の減少を補った。
この結果、売上げ全体に占めるブルーレイ・DVD・CD以外の事業ノンパッケージ部門のシェアが拡大した。ノンパッケージの拡大は近年の特長になっている。同業大手のエイベックス・ピクチャーズでも、ノンパッケージ事業のシェアが急拡大しており、映像音楽業界の共通のトレンドのようだ。
第3四半期までは赤字であったが、大ヒットになった映画『劇場版コード・ブルー』のブルーレイとDVDのBlu-ray・DVD発売が第4四半期に予定されている。この売上げが期待できることから通期の黒字化と増益を目指す。
イベント関連では、同じフジ・メディア・ホールディングスのグループ広告会社クオラスが増収増益だった。売上高は351億4500万円(8.4%増)、営業利益は5億6100万円(38.9%増)。イベント受託や広告制作が好調としている。
フジ・メディア・ホールディングス全体では、連結売上高が4485億2900万円(6.5%減)、営業利益が216億7900万円(7.2%増)、経常利益は275億8200万円(2.8%増)、当期純利益は154億4400万円(19.1%減)だった。期中にあった『劇場版コード・ブルー』、『万引き家族』の映画のヒットも貢献した。