ポニーキャニオン通期 パッケージ振るわず減収減益 ライブや海外販売でカバー

ファイナンス決算

 国内映像音楽事業の大手ポニーキャニオンの2017年3月期決算は減収減益となった。2017年5月11日に発表されたフジ・メディア・ホールディングスの決算と合せて公表された。
 売上高は前年比4.7%減の339億3700万円、営業利益は2億2500万円(72.9%減)であった。黒字は維持しているが、音楽部門、映像部門が不振だった。
 一方で、イベントコンサートのチケット収入やグッズ収入、そしてアニメの海外ライセンス収入が好調となった。CDやDVD、Blu-rayの落ち込みを、ライブ事業や海外向け事業でカバーしたかたちだ。

 2017年3月期は、アニメでも大型タイトルに欠けたことも響いていそうだ。今期(2018年3月期)は、4月より『進撃の巨人』のシーズン2が放送を開始している。『進撃の巨人』はポニーキャニオンの製作委員会への出資比率も大きく、配信やグッズ販売、音楽の関連事業の収益に期待かがかかる。7月からは竹内友のマンガを原作とした『ボールルームへようこそ』も大型作品となる。今後もアニメ製作での幅広い権利の取得強化、収益の多角化を目指す
 今期は実写映画も、好調なスタートを切っている。ギャガと共同配給する海外映画『ラ・ラ・ランド』が40億円を超える大ヒットになっている。今後は配信やパッケージの売上も見込まれる。
 
 放送局系の映像音楽会社では、日本テレビホールディングスのグループ会社バップの決算も明らかになっている。5月16日の日本テレビホールディングスの決算で公表された。
 売上高は141億8900万円と前年比で33.8%減と大きく減少している。こちらもパッケージの売上が減少したとする。今期もパッケージ販売は減収を見込んでおり、同事業については厳しい状況が続きそうだ。一方で営業利益は8億9700万円(149.2%増)と、利益面では好調であった。ビジネスの多角化が進んでいることを感じさせる。
 今後は各社とも、映像音楽パッケージのみに依存しないビジネスモデルの構築が、進展しそうだ。

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