ドコモがNTTぷららを子会社化 映像・配信ビジネスで3000億円を目指す

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 通信大手のNTTドコモ(ドコモ)が、映像配信事業の強化に動きだす。2019年2月1日、映像配信サービスのNTTぷららの株式を追加取得、子会社化することを明らかにした。
 ドコモのNTTぷららの持株比率はこれまで33.3%、それ例外は筆頭株主のNTTコミュニケーションズ、ソニー保有していた。ドコモは2019年7月づけでNTTコミュニケーションの全てを取得し、持株比率95.4%まで引き上げる。これによりNTTぷららを子会社化する。

 ドコモは子会社化の目的として、映像関連事業の拡大のためとしている。両社が協力することで、コンテンツ制作・調達など映像関連事業を拡大する。またIP(知的財産権)ビジネスや、映像コンテンツを軸とした広告、ECなど新たなビジネス創出も視野に入れる。
 2025年度には約3000億円の事業規模を目指す。NTTぷららの2018年3月期の売上高は約850億円だから、かなり野心的な目標となる。事業の拡大には5GやVR/MR、AIなどの技術を積極的に活用するという。

 こうした両社の協力のなかには、映像配信サービスも大きな位置を占めそうだ。NTTぷららは国内有数のコンテンツプラットフォーム「ひかりTV」を運営している。オンデマンドの映像、定額見放題だけでなく、定額制音楽配信、クラウド型ゲーム配信、電子書籍などのそのジャンルは幅広い。
 ドコモは、dTVやdアニメストアなどの映像配信プラットフォームも運営している。しかしコンテンツ配信事業の拡大が期待されるなかで、NTTぷららのこうしたビジネスは成長分野として魅力的に映ったといえる。

 一方で、NTTぷららも、映像事業の開拓を進める。2018年5月にアニメ製作の有力会社IGポートと業務提携し出資第4位の株主になっている。
 また2019年2月7日には『平成教育委員会』や『世界まるごとHOWマッチ』などバラエティ番組制作で定評のあるイースト・グループ・ホールディングスにも出資、資本業務提携をした。配信時代の進展と合わせて、有力プロダクションとの連携強化に動いている。
 また2018年8月には、国内外の配信企業とのビジネスを念頭においた、映像製作のつなぎ融資をする投資ファンド会社ジャパンコンテンツファクトリーをクールジャパン機構、YDクリエイション、文藝春秋、イオンエンターテイメントと共同設立している。筆頭株主は比率39.2%のNTTぷららである。配信だけでなく、コンテンツづくりにも積極的だ。

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