フジメディアHDはポニキャンが黒字化 TBSのセブン・アークス第1Q売上2億7千万円

ファイナンス決算

 2019年第1四半期(2018年4月~5月)の地上波放送局の決算発表が続く中で、グループ関連企業の業績の一部も明らかになっている。東京に放送を持つ地上波局が近年、相次いで持株会社化したことから分かるように、放送局のビジネスはいまやテレビ放送を核とした総合メディアの分野に移行しつつある。
 日本テレビホールディングスでは、アニメ製作会社のタツノコプロ、配信会社のHJホールディングス、映像音楽パッケージのバップ、テレビ東京ホールディングスではAT-Xの業績の一部が開示されている。

 2018年3月期第1四半期決算では、新たに東京放送ホールディングス(TBS-HD)傘下のセブン・アークスグループの売上高が垣間見えた。TBS-HDは2019年第1四半期の増収要因とのひとつにセブン・アークスを挙げているからだ。
 増収効果は映像・文化分野で2億7000万円となっている。セブン・アークスの完全子会社化の発表は2017年12月、このため2018年第1四半期にセブン・アークスの売上はなく、この2億7000万円がまるまる同社の売上とみていいだろう。収益面でのセブン・アークスのグループへの影響は、触れられていない。
 一方で、TBS本体の第1四半期のアニメ事業は厳しかった。売上高は1億4500万円で、前年同期比で1億円減少している。大きなヒット作がなかったことから、海外番組販売が不振だったとしている。
 映画事業は前年劇場公開した『チア☆ダン』の配信ライセンス販売が売上高増につながった。売上高は2億9000万円(5300万円増)だった。

 またフジテレビでは、映像音楽事業のポニーキャニオンの第1四半期で黒字に浮上した。映像音楽事業は苦戦が続いたが、配信とライセンス販売で売上げが好調だったとしている。また在庫削減による廃棄損や評価損の減少で営業利益も黒字化した。売上高は74億7800万円で5.2%増、営業利益は1800万円だった。
 テレビアニメの放送枠が急拡大して、アニメ業界から注目が増しているビーエスフジの決算も明らかになっている。売上高は38億6700万円(10.4%減)、営業利益は7億1000万円(6.2%減)の減収減益であった。放送事業、その他事業の収入が減少した。

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. 第2回新潟国際アニメーション映画祭
     今年3月に初開催されて話題を呼んだ新潟国際アニメーション映画祭が、2024年3月に第2回を迎える。…
  2. 「アニメーションの表現」
     2023年10月23日から11月1日まで開催されている第36回東京国際映画祭は、昨年より上映本数、…
  3. 『いきものさん』© 和田淳・ニューディアー/東映アニメーション
     日本を代表するアニメーション作家として、いま“和田淳”を筆頭に挙げる人は多いだろう。2010年に『…
ページ上部へ戻る