IMAGICA第3Q決算は減収赤字 アニメ・CG制作コスト増加も影響

ファイナンス決算

 映像制作・関連事業のIMAGICA GROUPの2019年第3四半期の決算が発表された。TVCMやアニメーション・CG制作の映像コンテンツ事業が赤字に転落したこともあり、全体でも売上高微減、利益面でもマイナスとなった。
 第3四半期までの連結売上高は633億8700万円(1.7%減)、営業損失が6億9100万円、経常損失が6億8500万円、当期純損失は3億700万円だった。通期では売上高900億円、営業利益と経常利益で5億円、当期純利益7億円を見通す。

 影響が大きかったのは、ロボット、ピクス、オー・エル・エムなどから構成される映像コンテンツ事業。売上高163億3400万円(6.8%減)、そして前年同期は7億300万円だった営業利益は1億4900万円の損失となった。
 売上高の減少は、前年に比べて劇場版実写映画の大型作品が少なかったためだ。また利益の減少は劇場アニメ、そしてテレビアニメシリーズの一部でも制作コストが増加したとしている。さらにフルCGの制作コストも増加した。アニメ・CG制作費の上昇が影響したかたちだ。一方でテレビCMや、プロジェクションマッピング、屋外広告などの制作は好調だった。

 映像制作サービス事業は、売上高200億7000万円(1.4%減)、営業利益は1億7000万円(81.3%減)とこちらも大きく利益を減らした。IMAGICA Lab.、イマジカデジタルスケープなどが主要企業だ。
 テレビ番組向けポストプロクションサービスで、減収減益となった。一方テレビアニメーション向けのポストプロダクション、人材サービス、気象関連情報サービスは好調であった。

 また海外での映像作品のローカライズをするメディア・ローカライゼーション事業は、引き続き赤字だ。こちらは米国にあるSDI Media Groupが中心だ。売上高は182億4000万円(1.1%増)、営業損失が12億1100万円である。
 映像システム事業は、フォトロンなどのイメージング分野が国内で堅調、プロ用映像機器分野では放送局を中心に向け、LSI開発分野では中国向けが好調で増収増益となった。売上高は100億3500万円(4.3%増)、営業利益は8億2200万円(29.5%増)である。

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