創通第1Qは減収減益 ライツ事業は堅調、メディア事業は下期偏重

ファイナンス決算

 アニメ企画・製作の大手である創通は、2017年1月10日、2017年8月期第1四半期の決算を発表した。近年は好調な業績を続けてきたが、当期は減収減益でのスタートとなった。
 連結売上高は前年同期比19.2%減の37億5100万円、営業利益は4億6900万円(15.4%減)、経常利益は4億5000万円(21.2%減)、当期純利益は3億900万円(24.7%減)となる。いずれも二桁の減少となる。

 減収の要因は、メディア事業において同社のプロデュース作品が従来に比べて少なかったためである。2016年秋は『それいけ!アンパンマン』や『リルリルフェアリ~妖精のドア~』などの継続作品のほかは、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第2章、『灼熱の卓球娘』といった作品にとどまった。
 メディア事業の期間中の売上高は25億9200万円(28.6%減)、営業利益は1900万円(84.6%減)となった。一方で、新作プロデュース番組が下期に偏重していることもあり、通期での売上、利益はより前年に近い数字になると見られる。
 2017年1月期には、『チェインクロニクル ~ヘクセイタスの閃~』、『政宗くんのリベンジ』、『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』といった新番組をスタートする。

 ライツ事業は引き続き堅調であった。売上高は11億700万円(17.1%増)、営業利益は4億7000万円(5.2%増)である。
 売上の伸びはイベント事業の拡大が大きかった。期間中に海外で積極展開するキャラクターイベント「C3」を初めて、中国・北京で開催した。また国内では巡回イベントの「機動戦士ガンダム THE ORIGIN展」が大きかった。ビジネスの多角化の成果が表れている。

 また通期業績予想は、慎重な見通しにしている。売上高は210億円の9.4%減、営業利益・経常利益は31億5000万円(いずれも10.0%減)、当期純利益は20億6000万円(9.8%減)を見込む。

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