出版デジタル機構とメディアドゥ合併 デジタル書籍取次事業を一本化

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 デジタル出版の総合企業メディアドゥホールディングスは、グループ内の2つの子会社 出版デジタル機構とメディアドゥを合併することを明らかにした。
 2019年3月1日にまず出版デジタル機構がメディアドゥを吸収合併。そのうえで会社名を株式会社メディアドゥ(新メディアドゥ)に変更する。法人としては出版デジタル機構が存続し、名称としてメディアドゥが引き継がれるかたちだ。
 さらにこの新メディアドゥの100%子会社として株式会社出版デジタル機構(新出版デジタル機構)を設立する。やや複雑なスキームになるが、これでこれまで2つの会社が別々に手掛けていた電子書籍取次事業が一本化される。

 出版デジタル機構は、デジタル書籍・コミック取次の大手。2012年に産業革新機構により設立され、その後ビットウェイの経営統合で電子書籍取次事業のトップ企業となった。さらに2017年に同業の現メディアドゥホールディングスに買収された。
 出版デジタル機構とメディアドゥの事業は、出版社から電子書籍コンテンツの委託を受けそれを電子書籍ストアに提供するものだ。リアルな流通で言えば卸売りに相当する。デジタル界の「日版」「東販」とも称される理由だ。

 国内でこの事業を手がける企業は数が少なく、出版デジタル機構が大きなシェアを持ち、メディアドゥと合わせて市場の過半数を握っていた。
 しかしこれまでは持株会社の下に同じ事業の2つの会社が別々に並列するかたちだった。今回は両社を合併することで、事業を一本化することになる。

 このタイミングでの統合は、最大のネックとなっていたシステム統合に目途がついたためである。新統合システムを開発し、2020年2月期中に移管を完了する予定である。電子書籍取次事業の集約で、管理体制や制度も統合し、効率化や事業拡大を目指すことになる。

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