ジョン・ラセター 設立1年のスカイダンス・アニメーションのトップに就任

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 ピクサーの名声を築き、ディズニー・アニメーションの復活に大きな役割を果たしたジョン・ラセターが、新たなキャリアをスタートすることが明らかになった。米国の新興大手の映画製作会社スカイダンス・メディアは、2019年1月9日にジョン・ラセターのアニメーション部門トップ就任を発表した。
 ラセターの役割は、スカイダンス・アニメーションのクリエイティブと戦略全体の方向性の決定となる。デヴィッド・エリソンCEOの直轄として1月末からロサンゼルスのアニメーションスタジオで仕事を開始する。

 ジョン・ラセターは、1995年公開のピクサーによる長編フルCGアニメーション『トイ・ストーリー』の監督として衝撃的なデビューを飾る。その後も『トイ・ストーリー 2』や『カーズ』などのヒット作の監督をする。さらにピクサー作品のプロデュースも多く務め、同社の顔となった。
 2006年にディズニーがピクサーを買収した後は、ディズニー・アニメーションとピクサーのチーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)を兼任。停滞していたディズニーのアニメーション部門の復活にも貢献した。
 しかし2017年にスタッフへの不適切な対応問題が起きたことから両スタジオでの活動から退き、さらに2018年末で退社した。業界の大物だけにその後の去就が関心を集めていたが、新興スタジオで早速新たにアニメーションづくりに携わることになる。

 スカイダンス・メディアは2010年にデヴィッド・エリソンが新しい映画会社として創立された。誕生から10年経たないがすでに数多くのヒット作を生み出している。その中には『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』『スター・トレック イントゥ・ダークネス』『ターミネーター:新起動/ジェニシス』などが含まれる。ハリウッドメジャーのひとつパラマウントと配給契約を結んでいるのも強みになっている。
 映画だけでなく、テレビドラマやインタラクティブメディアなど様々なかたちの映像作品をてがける。日本との関係では『ソードアートオンライン』のテレビドラマの企画発表でも話題を呼んだ。

 しかしアニメーション部門は2017年に設立されたばかり、まだ1年あまりの歴史しかない。競争激しいアニメーションに進出するのは、2000年代になりアニメーションは映画の主要ジャンルとしてメガヒットが次々に生みだされているためだ。映画製作会社として無視できない分野なのである。
 製作には相当の期間がかかるため映画、テレビシリーズとも、スタジオからの作品はまだ世の中に登場していない。一方で企画は盛りだくさんで、『Luke』『Split』『Powerless』『The Fourteenth Goldfish』といった複数のプロジェクトを抱える。『塔の上のラプンツェル』のネイサン・グレノらアニメーション界のトップクラスの才能がスタッフに並ぶ。
 これに新たにジョン・ラセターの名前が加わると、大手スタジオに引けをとらない。ディズニーやピクサー、ドリームワークス、イルミネーションに匹敵するスタジオづくりを目指していることがわかる。ジョン・ラセターの参加で、さらに注目が挙がったスカイダンス・アニメーション。今後米国アニメーション業界の台風の目となりそうだ。

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