2018年11月20日に発表されたジーベック事業再編について、親会社IGポートは今後の方向性について明らかにしている。アニメーション制作事業の大半をアニメ製作大手サンライズに譲渡する一方で、制作機能の一部、さらに過去作品の権利はIGポートに残ることが決まった。
11月の発表ではアニメーション制作事業の譲渡、ポストプロダクション部門はグループに残るとだけしていた。譲渡される事業の範囲も今後の決定と説明した。
しかし実際にはアニメーション制作事業の一部も、IGポートに残る。ジーベックが長年手がけてきた「蒼穹のファフナー」シリーズ最新作『蒼穹のファフナー THE BEYOND』のアニメーション制作をグループ内で引き継ぐ。
『蒼穹のファフナー』は2004年にスタートしたオリジナルロボットアニメシリーズ。2回にわたりテレビシリーズが制作されたほか、テレビスペシャルや劇場版などの広く展開してきた。根強い人気を誇る。
およそ2年前2016年12月に、最新作として『THE BEYOND』の製作発表をしている。現在も制作が続いており、2019年5月より全12話を順次劇場上映する予定だ。
シリーズの原作はジーベックが保有している。今回の事業譲渡ではジーベックの持つ過去作品の著作権は引き続きIGポートが所有することが決まっている。制作事業を移管するとサンライズがIGポート原作のアニメを制作することになる。こうした状態を避けたとみられる。
『蒼穹のファフナー THE BEYOND』を制作する東京・練馬区のスタジオは、「XEBEC zwei」から「IG zwei」に名称を変更、プロダクション I.Gに移管する。映像合成・撮影(ポストプロダクション)部門もプロダクションI.Gの事業となる。一方で彩色をする仕上部門は別のグループ会社シグナル・エムディへ移管する予定だ。
西東京市にあった作画・制作管理部門は、サンライズが新会社を設立しそこに移管する。かなり細かく事業分割されることになる。
一方、IGポートからサンライズへの譲渡価格については今回発表されなかった。3月11日に最終契約を結び、そこで譲渡価額の決定する予定のためだ。その後の発表になりそうだ。