人気マンガ家の弐瓶勉氏とポリゴン・ピクチュアズ・ホールディングス(ポリゴン・ピクチュアズHD)が手を組んで、新たなビジネスを目指すことになった。
ポリゴン・ピクチュアズHDは2018年3月5日、弐瓶勉氏と共同出資の新会社である東亜重工有限責任事業組合(TOA Heavy Industries, LLP.)を設立したことを明らかにした。2018年より公式サイトも立ち上げ、本格的なビジネスに取り組む。
弐瓶勉氏は『シドニアの騎士』、『BLAME!』など数々のSFマンガのヒット作で知られている。現在は雑誌「月刊少年シリウス」で連載中の『人形の国』が人気を呼んでいる。壮大で緻密に構成された物語、スタイリッシュな絵に定評がある。
このうち『シドニアの騎士』、『BLAME!』は、ポリゴン・ピクチュアズHDが出資するアニメーション制作会社ポリゴン・ピクチュアズにより映像化された。弐瓶勉の世界観を見事に表現した両作品は、国境を越えて話題を呼んだ。
東亜重工LLPでは、弐瓶勉氏とポリゴン・ピクチュアズが映像を超えた、さらに広い領域で協力することになる。今後、両者で映像やゲームなどのオリジナル企画の開発や、グッズや工業製品のデザイン考案などを進める。これまでの作品の監修やライセンス管理も行う。マンガ作家とアニメーション会社が映像を超えた協力を目指す新たな試みである。
社名になる「東亜重工」は、弐瓶ファンにはお馴染みだろう。複数の作品にたびたび登場するアイコン的な名称が現実化した。新会社が弐瓶氏のクリエイティブにフォーカスしていることが判る。
弐瓶氏はこれまでもマンガ以外の分野でも、様々なデザイン考案やコンセプトを提供してきた。そうした展開のサポートにも力を発揮しそうだ。さらに新たなコンテンツのアイディアやデザイン考案では、これまで見たことのなかった作品も期待できそうだ。
ポリゴン・ピクチュアズは、国内を代表するCGとアニメーションの制作スタジオとして知られている。『シドニアの騎士』、『BLAME!』のほか、『亜人』、『GOZILLA 怪獣惑星』といったアニメーションを次々に世に送り出してきた。CGに2Dの伝統表現も取り入れた独自の映像は、日本のアニメショーンシーンを牽引している。
また海外作品の制作も数多い。『トランスフォーマー ロボッツインディスガイズ』、『Lost in OZ』などの代表作がある。米国のエミー賞をたびたび受賞するなどグローバルでのクオリティの高さで評価されている。
東亜重工LLPに出資するポリゴン・ピクチュアズHDは、ポリゴン・ピクチュアズの主要株主にあたる。1月にはゲーム開発会社ヒストリアと共同で株式会社エレメントファクトリーを設立したことで注目を浴びたばかりである。
一方、ポリゴン・ピクチュアズでは2017年講談社と共同で株式会社講談社VRラボを設立している。様々なかたちで、映像の新しい可能性を探る。ポリゴン・ピクチュアズは新しい映像会社の在り方も目指しているようだ。
東亜重工有限責任事業組合(TOA Heavy Industries, LLP.)
http://toahi.net/
所在地: 東京都港区南麻布3-20-1 Daiwa麻布テラス
(株式会社ポリゴン・ピクチュアズ・ホールディングス)
設立日: 2017年10月10日