文教堂、4期連続最終損失に アニメ商品シフトを図り収益向上目指す

ファイナンス決算

書籍小売店チェーンの文教堂が、業績不振から抜け出せない。2016年10月14日に2016年8月期の決算発表を行ったが、連結売上高は321億5500万円の3.5%減、営業損失8500万円、経常損失7200万円、当期純損失3億3100万円となった。
直近までは黒字転換を見通していたが、決算発表の前日に業績予想の下方修正と特別損失の計上を発表。結果として4期連続の赤字決算となった。業績については、第4四半期にこれまでの計画にない大型閉店を実施したことなどから売上が減少、これにより売上総利益も減少したとしている。また特別損失は、投資有価証券の評価額損が約6600万円、減損損失が約4900万円、さらに貸倒引当金の繰入金額が約1900万円発生した。

文教堂は1898年創業、1949年に法人化した老舗の書籍チェーンで、国内に約200店舗を展開する。しかし、近年はインターネット小売店の台頭や、コンテンツのデジタルシフトもあり、雑誌などの店頭販売が縮小している。文教堂もこうした影響を受けている。期中に9店舗を開店する一方で、13店舗を閉店するなど、店舗網も縮小均衡だ。

こうしたなかで、文教堂はアニメ関連商品の販売強化に活路を見出している。同社が展開するアニメ関連商品の専門ショップ「アニメガ」が好調を続けているからだ。人気の秘密は独自開発を含めた商品の品揃えに加え、作品をテーマにしたキャンペーン実施やコンセプトカフェの併設、店内イベントや同人誌の委託販売などで顧客のニーズに幅広く応えていることにある。
現在は「ア二メガ」を含めた新業態での出店を推進している、前期の新店舗は9店のうち、アニメガは札幌、高松、名古屋の3店舗を占めた。今期以降もアニメガの出店を加速し、高い利益率と集客性が見込めるアニメ関連商品、キャラクターグッズの商品開発を進める。
2017年8月期は売上高310億円、経常利益1億8000万円、当期純利益1億円の黒字転換を目指す。収益化には、2016年9月に日本出版販売と結んだ業務提携も鍵になる

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