「シン・ゴジラ」米国配給にファニメーション 2016年末の公開目指す

シン・ゴジラ 米国

映画『シン・ゴジラ』が好調だ。7月29日の公開以来、口コミで人気を広げ、上映約1ヵ月で興業収入は46億円を突破する大ヒットだ。劇場を訪れる観客の勢いは依然衰える気配がなく、今後もまだまだ数字を伸ばしそうだ。
日本での上映が続く中で、早くも海外での公開も動き始めている。世界的に知られたキャラクター、タイトルということもあり、東宝はすでに世界100ヵ国・地域の配給を明らかにしている。

海外初となったのは、お隣の台湾である。8月12日からCatchPlay配給で公開を開始した。CatchPlayは、中華圏マーケットを得意とする新興の映画会社である。
また8月25日から公開した香港は洲立影視有限公司、シンガポールはで地元独立系の大手配給会社GOLEDEN VILLAGE PICTURESが配給をしている。さらに9月に入るとタイでも上映と東アジア圏が先行する。日本での大ヒット作が海外の観客にどのように伝わるのか気になるファンや関係者も多いだろう。

さらに気になるのは、世界最大のエンタテインメントの国、米国での反応だろう。こちらもすでに配給会社が明らかになっている。日本のアニメやエンタテイメント映画の配給で実績を持つファニメーション(Funimation)が担当する。
ファニメーションは7月に開催されたサンディエゴ・コミコンにて、目玉タイトルとして『シン・ゴジラ』の権利獲得を発表した。同社は米国における上映権、ビデオグラム化権、配信権、放送権の全てに加えて、北米、中南米でも同様の権利を得た。まずは映画公開となるが、北米での上映はファニメーション・フィルムにより2016年末を予定する。

ファニメーションは日本アニメ関連のビジネスで成長した企業で、Blu-ray・DVDの発売や配信なども手がける大手企業である。『鋼の錬金術師』や『ドラゴンボールZ』『進撃の巨人』などのヒット作で知られている。近年は映画配給や実写映画にも積極的だ。「エヴァンゲリオン 新劇場版」シリーズ、細田守監督作品、映画『るろう剣心』、映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』など、日本の話題作を矢継ぎ早に配給する。
一方で、独立系映画会社でもあり、配給網は大手に比べるとまだ弱い。近年は数百館規模の劇場で、期間限定、週末限定などの短期間で集中的に上映することが多い。『シン・ゴジラ』の公開もこうしたかたちになる可能性が高い。ファニメーションの配給で過去最大のヒット作は、2015年の『ドラゴンボールZ 復活の「F」』の約800万ドル。この数字がメルマークとなる。
一方で、『シン・ゴジラ』の映画評は早くも経済総合誌の「Fobes」やエンタテイメント誌の「ハリウッドレポーター」に掲載されている。日本での大ヒットと、テーマの重みは異例の注目を浴びている。

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