2018年12月6日、米国のHFPAは第76回ゴールデングローブ賞の各部門のノミネートを発表した。このうち2018年に公開された最も優れた長編アニメーション映画を対象にする最優秀アニメーション映画賞の候補に、細田守監督の『未来のミライ』が選ばれた。
アニメーション部門のノミネートは全部で5作品。ピクサーの最新作『インクレディブルファミリー』、デイズニーの『シュガー・ラッシュ:オンライン』、ソニーピクチャーズの『スパイダーマン:スパイダーバース』のハリウッドスタジオの大作が3本。そしてベルリン国際映画祭銀熊賞受賞で巨匠ウェス・アンダーソン監督の『犬ヶ島』である。いずれも指折りの評価をされている。米国では期間限定公開だった『未来のミライ』のノミネート選出は快挙、作品への評価の高さを感じさせる。
『未来のミライ』は、新しく妹を持った4歳の男の子・くんちゃんを中心に描いている。未来から成長したその妹ミライちゃんがやってきて、くんちゃんは一緒に不思議な経験をすることになる。原作・脚本・監督を細田守が担当、監督の個人的な体験も反映した日常的な風景とファンタジックなストーリーが絶妙にブランドされ、個性いっぱいの魅力を発揮する。
日本では興行収入28億円を突破。カンヌ監督週間やアヌシー国際アニメーション映画祭のオフィシャルコンペに選ばれるなど国際的な評価が高い。今回は米国を代表するアワードでのノミネートになった。
ゴールデングローブ賞は、1944年にハリウッド外国人映画記者協会(Hollywood Foreign Press Association:HFPA)によってスタートした。米国アカデミー賞の前哨戦として知られるが、映画だけでなくテレビ部門があるなど異なる点も多い。
アカデミー賞の長編アニメーション部門は2001年に設立されたが、ゴールデングローブ賞のアニメーション部門はそれから5年遅れの2006年になる。またハリウッドスタジオの映画がアカデミー賞以上にノミネートで強さを発揮してきた。海外作品のノミネートも数が少ない。これまでに日本作品のノミネートは一度もなく、『未来のミライ』が初になる。
ゴールデングローブ賞の各賞の発表は2019年1月6日。さらに2019年1月22日にはアカデミー賞のノミネートも発表される。こちらにも期待がかかる。