2018年12月3日、アニメーション界のアカデミー賞とも称されるアニー賞が2018年度の各ノミネートを発表した。このうち主要カテゴリーにあたる最優秀長編映画賞(インディペンデント)に日本のアニメ映画『未来のミライ』が、長編映画脚本賞には同作で原作・監督も務めた細田守が選ばれた。
2018年には多数の日本アニメが米国公開されたが、今回ノミネートされたのは『未来のミライ』のみだった。またフランスのアンカマが製作、日本のスタジオ4℃がアニメーション制作した『ムタフカズ -MUTAFUKAZ-』も最優秀長編映画賞(インディペンデント)にノミネートされている。
各部門ともノミネート選出は5作品のみと狭き門。今後はアワードを主催する国際アニメーション協会ハリウッド支部(ASIFA-Hollywood)の会員の投票により、受賞者が決定する。2019年2月2日にカリフォルニア大学ロサンゼル校ロイスホールで開催される授賞式で発表される。
アニー賞は1972年に国際アニメーション協会ハリウッド支部が、その年のアニメーション業界で業績を残した作品やスタッフを顕彰することを目的にスタートした。今回で46回目を迎える。
米国公開された作品を対象にすることや、ノミネート作品を挙げたうえで会員投票にて受賞を決めるシステムからアニメーションのアカデミー賞とも呼ばれている。作品賞だけでなく、監督賞、脚本賞、キャラクターデザイン賞、音楽賞など多くの部門があり、また長編映画だけでなくテレビ、短編、学生、VR、ゲームなどでもアワードを設けている。
アニー賞は長編アニメーションの製作増大と多様化を受けて、2015年より長編部門を劇場公開時のスクリーン数が1000以上の「一般」と1000未満の「インディペンデント」に分けている。
今回は一般部門にはピクサーの『インクレディブル・ファミリー』、ディズニーの『シュガー・ラッシュ:オンライン』、ソニー・ピクチャーズの『スパイダーマン: スパイダーバース』の3作品、それに海外スタジオになるが全米公開となったウェス・アンダーソン監督の『犬ヶ島』、アードマンスタジオの『アーリーマン 〜ダグと仲間のキックオフ!〜』が選ばれた。
一方インディペンデントは、『未来のミライ』、『ムタフカズ -MUTAFUKAZ-』のほか、ベルギー/フランスの『This Magnificent Cake!』、ハンガリーの『Ruben Brandt, Collector』、ブラジルの『Tito and the Birds』となった。いずれも海外作品だ。
また長編映画脚本賞は細田守監督以外に、『インクレディブル・ファミリー』、『シュガー・ラッシュ:オンライン』、『スパイダーマン: スパイダーバース』、『Teen Titans Go! To The Movies』の4作品が並ぶ。こちらは大作映画ばかりだ。
『未来のミライ』は、細田守が原作・脚本・監督を務める話題作。2018年夏に日本公開され大ヒットになった。米国では11月29日にGKIDS配給で公開が始まったばかりだ。
細田作品では2015年にも『バケモノの子』が最優秀長編映画賞(インディペンデント)にノミネートされている。