インターネットを活用した新時代の映像プラットフォーム「AbemaTV」を運営する株式会社AbemaTVが設立から3年あまり経ち、経営体制に新たな変化が生まれる。電通と博報堂DYメディアパートナーズの2社が、新たに株主に加わることになった。
AbemaTVは当初はIT企業のサイバーエージェントとテレビ朝日の共同事業としてスタート、両社が株主になっている。2018年10月31日付で第3者割当増資を実施し、電通と博報堂DYが引受ける。引受金額は公表されていない。
電通の持株比率は5%、博報堂DYの持株比率は3.0%。サイバーエージェントの持株比率は60%から55.2%に下がるが、引き続き過半数を握りAbemaTVを連結子会社とする。またテレビ朝日の持株比率は、40%から36.8%に下がる。
資本参加に合わせて、AbemaTVと電通と博報堂DYは、業務提携も結ぶ。両社はAbemaTVの広告販売の拡大を目指すほか、スポーツやアニメ、映画などのコンテンツ調達でも協力が期待される。
電通と博報堂DYはこれまでも広告販売をしていたが、株主となることでよりAbemaTVのビジネスに密に関わることになる。同時に、次世代のメディアとしてさらなる成長が期待されるインターネットテレビの有力企業に先行投資する意味合いもありそうだ。
AbemaTVは、2015年4月にサイバーエージェントとテレビ朝日が共同出資して設立された。サイバーエージェントの持つ、ネットでのテクノロジーや運営、拡散力とテレビ朝日の持つコンテンツと番組制作力の組み合わせが期待された。
配信スタートからおよそ2年半でスマートフォンアプリのダウンロード数だけで3400万を超えている。オンディマンド型の配信でなく、テレビのようにチャンネルを設け、編成スタイルとしているのが特徴である。視聴は基本無料で、収益は広告収入が期待されているが、現状は先行投資が大きく赤字が続いている。次の課題は広告の拡大と収益化で、広告販売を強みとする電通と博報堂DYとの提携強化は、まさにその部分の強化につながるものだ。