「すずめの戸締まり」がベルリン国際映画祭オフィシャルコンペに、18作品で競う

すずめの戸締まり

 新海誠監督の最新長編アニメ映画『すずめの戸締まり』が、グローバルで大きな注目を集めることになった。2023年1月23日、ベルリン国際映画祭は、2023年2月16日から26日まで開催する今年の第73回の公式コンペティションのラインナップを一挙に発表した。そのひとつとして『すずめの戸締まり』が選ばれた。
 ベルリン国際映画祭は1951年にスタート、カンヌ国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭と合わせて世界三大映画祭のひとつとし、映画界の頂点に立つ。長編部門のコンペティションでは、『千と千尋の神隠し』金熊賞(グランプリ)、黒澤明の『隠し砦の三悪人』銀熊賞(監督賞)などがある。近年では2021年に濱口竜介監督が銀熊賞(審査員賞)を獲得したのが話題を呼んだ。
 今回発表されたのは、ヨーロッパ各国や米国、中国、オーストラリアなどから全18作品。『すずめの戸締まり』はこれらの作品と共に競い、映画祭を盛り上げることになる。

 『すずめの戸締まり』は新海誠監督の3年ぶりの長編映画として製作された。日本では2022年11月に全国公開され1月22日までに興行収入128億円、963万人を動員する大ヒットになっている。
 女子高生・すずめが廃墟にある扉を閉めることで災いを封じる閉じ師の草太との出会いから始まり、東日本大震災とつながるストーリーが観客の心を動かす物語が高い評価を受けている。

 日本のアニメ映画がベルリン国際映画祭のメインコンペに選出されるのは、2002年の『千と千尋の神隠し』以来21年ぶり、2度目となる。世界三大映画祭でも、宮崎駿監督、押井守監督、今 敏監督以来の快挙だ。
 宮崎駿監督は『千と千尋の神隠し』ここでグランプリを獲ることで、さらに米国アカデミー賞の最優秀長編アニメーション賞にも輝いた。ベルリンから世界に羽ばたいたと言っていいだろう。それだけに新海誠監督がベルリンでどういった評価を残すのかが注目される。

第73回ベルリン国際映画祭
https://www.berlinale.de/en/

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