木下グループが、新しい映画事業のグループ会社を立ち上げた。2018年10月4日付で株式会社 kino cinémaを設立した。資本金は1000万円、取締役会長に木下グループ代表取締役社長の木下直哉氏、代表取締役社長は西嶋祐一郎氏が就任。本社はキノフィルムズなどグループの映画関連会社が集まる六本木に置かれる。
映画館やアミューズメント施設の開発・運営、飲食店の企画・開発・運営、さらにパンフレットなどの制作・販売とチケットの売買などを事業とする。映画館運営などの興行事業を核にした会社となるようだ。
木下グループは生活産業企業の一環として、文化事業に積極的に進出している。2003年には映画製作・配給のキノフィルムを設立、多くの映画に製作出資する。アニメでは2017年のテレビアニメシリズ『正解するカド』への出資が話題を呼んだ。
その後も書籍の出版・販売のキノブックス(2013年)、音楽関連事業のキノミュージック(2015年)を相次いで設立した。
2018年にはさらに勢いがつき、5月にテレビ番組や映画・アニメーション・イベント企画・制作のプロダクション・キノ、海外事業やライセンス管理のkino internationalが立ち上げられている。併せて国際映画祭「東京フィルメックス」の運営協力も発表した。
また今年8月には、アニメ製作の福島ガイナックス(現ガイナ)の株式100%取得し子会社化した。アニメ製作、そしてアニメーション制作への進出として注目を浴びた。
kino cinémaの設立もこうした流れの一環となる。2018年は文化事業のなかでも、とりわけ映像関連へ注力していることが窺われる。映画の企画・製作、出資からライセンス管理に、興行も加わることで、総合的な映画事業グループに近づく。今後、映画やアニメ、放送番組でも木下グループの存在感が増すのかが関心を集めそうだ。