講談社マンガ13誌が月額960円読み放題、定額課金の新プラン発表

マンガ

 映像配信では、毎月定額課金で大量の番組が見放題になる定額見放題サービスが近年、急激に広がっている。そうした流れがマンガ業界でも広がりそうな気配だ。
 2018年10月15日、講談社は、デジタルマンガの配信サービス「コミックDAYS」の新プラン「もっとプレミアム」を発表した。月額960円(税込)で、講談社が刊行するマンガ雑誌13誌がデジタルで全て読めるものだ。13誌は、「週刊少年マガジン」をはじめとする少年誌、「ヤングマガジン」「モーニング」などの青年誌、さらに少女マンガ誌「なかよし」、女性マンガ誌「BE・LOVE」など広いジャンルをカバーする。
 閲覧可能な雑誌はこのほか、「イブニング」「アフタヌーン」「Kiss」「月刊少年シリウス」「月刊少年マガジン」「少年マガジンエッジ」「デザート」「なかよし」「別冊フレンド」。講談社の主要マンガ誌をほぼ網羅する。月額で1000円を切る価格設定も考えれば、かなり大胆な取り組みである。

 「コミックDAYS」では、今年2月に「ヤングマガジン」「モーニング」「アフタヌーン」「イブニング」「Kiss」「BE・LOVE」の6誌を全てデジタルで読めるプランを導入していた。しかし青年誌4誌、女性誌2誌とターゲットが異なる雑誌の組み合わせで、それぞれの読書が読める作品は必ずしも多くないと指摘されていた。
 そこで今回は月額を引き上げる一方で、少年誌と少女誌を加えることでサービス向上を図る。「もっとプレミアム」であれば、少年誌と青年誌、少年誌と少女誌、少女誌と女性誌と様々な組み合わせが可能になる。広い読者のニーズに応える。ユーザーの大幅な拡大も望める。

 講談社の意気込みは、契約開始後の最初の月を無料とすることからも窺われる。まずは魅力的なプランで登録をしてもらい、継続会員を確保する狙いだ。
 一見、破格とも見えるサービスだが、多くのユーザーは、継続的に読むのは数誌だろう。一方で、ターゲットの異なる読者に多様な作品を並べることで、作品の認知度やリーチを拡大することになる。講談社が仕掛ける大胆な戦略が、どのような波紋を巻き起こすか注目される。

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. 太素(TAISU)
     『カウボーイビバップ』の渡辺信一郎監督、『九十九』で米国アカデミー賞短編アニメーションにもノミネー…
  2. かがみの弧城
     本屋大賞に輝く辻村深月の『かがみの孤城』は、ベストセラーとして世代を超えて支持を集めてきた。学校で…
  3. クランチロール
    末平アサ氏(チーフコンテンツオフィサー)インタビュー  2021年8月にソニーグループが、米国に拠…
ページ上部へ戻る