日本ゲームが続々ハリウッド映画 ロックマン実写版製作、カプコンが発表

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 ゲーム会社のカプコンは、長年のヒットシリーズ「ロックマン」がハリウッド映画として実写化されると発表した。公開時期は明らかにしていないが、ハリウッドメジャーのひとつ20世紀フォックスが配給する予定だ。
 また制作は21世紀版の「猿の惑星」シリーズや『グレイテスト・ショーマン』、『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』などを手がけたチャーニン・エンターテイメントとなる。監督と脚本は「パラノーマル・アクティビティ」シリーズのアリエル・シュルマンとヘンリー・ジュースト。さらにプロデューサーは『HEROES』の出演でも著名な日本人俳優のマシ・オカが担当する。

 実写映画化にあたっては、これまで世界中で愛されてきた「ロックマン」の世界観を踏襲するとのこと。そのうえでハリウッド映画らしいエンタテインメントや壮大な演出を盛り込む。ゲームファンだけでなく、幅広い層が楽しめる映画を目指す。

「ロックマン」シリーズは、ファミリーコンピュータ向けのアクションゲームとして1987年に第1作を発売した。誕生から30年経つが、いまだに新作タイトルが発売され、シリーズ累計販売本数は3200万本に達する。カプコンの主力ブランドのひとつだ。
 とりわけ海外では『MEGA MANN』の名称で高い人気を誇っている。その人気は海外だけのオリジナルのテレビアニメシリーズが作られるほどだ。2018年8月からも、『メガマン:フリィチャージド』が北米で放送されている。こうした人気が今回の大型プロジェクトにつながったというわけだ。

 これまでも日本コンテンツからのハリウッド映画化は少なくない。なかでも近年注目されるのが、日本ゲームやそのキャラクターだ。「バイオハザード」シリーズが長年ファンからの熱い支持を集めてきたほか、『シュガー・ラッシュ』、『レディプレイヤーワン』、『ピクセル』といったヒット作では、日本ゲームのキャラクターが多数登場した。
 さらに2019年には『名探偵ピカチュウ』がワーナー・ブラザース配給で、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』がパラマウント配給で世界公開される。10月4日には、やはりカプコンから『モンスターハンター』の映画化も発表している。観客に訴求力のあるコンテンツとしてハリウッドが注目しているというわけだ。

 人気の高いゲームの大作映画化は、ゲームと同等の大ヒットを必ずしも約束するわけでない。これまでゲーム原作映画が期待に達してないケースも少なくないからだ。例えば『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』、『アサシン クリード』、『ウォークラフト』、『ニード・フォー・スピード』。海外メーカーの世界的なヒットタイトルが原作だが、いずれも北米興収でヒットの基準である1億ドルを超えられていない。
 こうした作品は熱心なゲームファンに時事されてきた。これらに較べるといま映画化の進む日本のゲームタイトルは、コアファン向けというよりも、一般志向が強い。同じゲーム原作でもキャラクターを重視してファミリー層も取り込みたい、そんなハリウッドの潮流の変化も日本ゲーム人気にあるのかもしれない。

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