米国の映画業界メディアのハリウッドレポーター誌は、2022年5月25日に関係者からの情報として日本の往年のテレビアニメ『マッハGoGoGo』に基づいた、実写シリーズ番組制作を企画中であると伝えている。
映画監督・プロデューサーのJ・J・エイブラムスの会社バット・ロボットが制作するほか、ワーナー・ブラザーズ、アップルが製作に参加、アップル向けの新作配信番組になると言う。リリース時期など言及されていない。
『マッハGoGoGo』、1967年から68年にかけて制作・放送された日本のテレビアニメシリーズだ。吉田竜夫のマンガを原作に、タツノコプロダクションがアニメーション制作した。主人公のレーサー三船剛が、マッハ号に搭乗し世界各地のレースを転戦しつつ成長していく。
当時のタツノコプロの特徴である無国籍風の設定や色遣い、キャラクター、メカニックデザインが人気を博した。当時から海外でも放送されており、特に『スピード・レーサー』のタイトルで放送された米国では人気が高かった。
そうした往年の人気を当て込んで、1997年にはリメイクテレビシリーズが制作されている。2008年には『スピード・レーサー』として大作実写映画がハリウッドで作られた。映画はウォシャウスキー兄弟(当時)が監督・脚本、配給がワーナー・ブラザースと大掛かりだったが、北米工業は1億ドルに届かず厳しい結果であった。
それだけに今回米国における2度目の実写化企画はサプライズと言える。それだけ『スピード・レーサー』の人気が根強いともいえる。
今回の企画でも大物の関与が期待されている。制作を担当すると伝えられているバッド・ロボット・プロダクションズは、2001年に大物監督・プロデューサーのJ・J・エイブラムスが設立した。2008年の映画『クローバーフィールド』の成功で一躍名を挙げた。
またJ・J・エイブラムスが自ら監督し、クリス·パインが出演した2009年のリブートバ版『スタートレック』や近年の『ミッション:インポッシブル3』、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』なども手掛ける。往年の大型タイトルを現代の映像として表現すのが得意だ。『スピード・レーサー』の新たな実写企画も実現すれば、大きな期待がかかりそうだ。
バッド・ロボットはこのほかに、2017年の企画が発表されたハリウッド実写版『君の名は。』でも、制作会社として名前があがっている。複数の日本原作のプロジェクトが同時に進行することになる。