「NARUTO」ハリウッド実写映画化が進展 新たな監督・脚本を決定

ライオンズゲート(LIONSGATE)

 岸本斉史のマンガ『NARUTO-ナルト-』の米国での実写映画化企画に大きな動きがあった。製作を進める米国大手映画会社ライオンズゲート(LIONSGATE)は、2024年2月23日、本作の新たな映画監督、脚本としてデスティン・ダニエル・クレットンを決定したと発表した。2月24日には、『NARUTO-ナルト-』公式サイトでも告知された。
 デスティン・ダニエル・クレットンは、2021年に全米公開され北米だけで興行収入2億2000万ドルの大ヒットになった『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の監督を務めている。またディズニー+向けの『アメリカン・ボーン・チャイニーズ』の製作総指揮を務めるなど活躍が著しい。そんな実力が評価されたかたちだ。
 製作のライオンズゲートは、映画・テレビ番組などで米国有数の大企業として知られる。特に映画ではメジャーと呼ばれる老舗の大スタジオに肉薄する勢いがあり、『ハンガー・ゲーム』など若者向けのシリーズ作品を得意とする。

 『NARUTO-ナルト-』は、1999年から岸本斉史が「週刊少年ジャンプ」に連載した人気マンガだ。世界60以上の国と地域で、2億5000万部以上が発行されるほどのヒットになっている。2002年にテレビアニメ化され、こちらも世界中のファンから絶大な支持を受ける。
 2015年に物語は完結したが、その後も続編にあたる『BORUTO-ボルト-』やスピンオフ作品もあり、長く愛されるシリーズになっている。

 そんな『NARUTO-ナルト-』のハリウッド実写化だけに、実現すれば大きなニュースだ。しかし、実際は『NARUTO-ナルト-』の実写化企画はかなり昔から存在する。
 いまから9年前の2015年にも、同じライオンズゲートより、マイケル・グレイシー監督で映像化と企画が発表された。しかし、その後企画の進展が報じられることがなく、米国で数多い途中で挫折した企画とみられていた。それが2023年11月に今度はターシャ・フオが脚本を務めるとメディアで報じられた。実際の発表では、デスティン・ダニエル・クレットンが監督と併せて脚本を務めることになった。

 23年の新たな動きは、23年8月にNetflixで世界配信された『ONE PIECE』の実写ドラマの大ヒットと無関係ではないだろう。昨今の日本アニメ・マンガの人気の盛り上がりに加えて、『ONE PIECE』の成功で同じ「週刊少年ジャンプ」連載のビッグタイトルとして再び陽が当たった可能性が高い。
 さらに日本で実写化された『幽遊白書』も世界的なヒットになっていりから期待がかかる。それでも監督、脚本の決定は映画企画のスタートに過ぎない。本作はキャスト決定や実際に撮影に入るのかなど、今後の動きが注目だ。

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