クリエイターが持つエンタテインメント作品の企画実現を目指すプロジェクト「ACG Network」が7月に発表された。プロジェクトの中心となるのは、ブロックチェーン技術を活用した企画支援のプラットフォームシステムである。新しい企画のプレゼンテーションと資金調達を可能にする。
「ACG Network」はシンガポールに本社を持つACG Foundationが進めるプロジェクトだ。このほど日本法人のACG Network Japan株式会社を設立し、また支援プラットフォームのβ版をリリースしたことから、プロジェクト開始と構想・サービスの発表となった。2019年に本格的にサービスを開始する予定だ。
ブロックチェーンを活用したクリエイター支援は仮想通貨ブームもあり、現在、様々なプロジェクトが生まれている。そのなかでACGは、アニメ(Animation)、マンガ(Comic)、ゲーム(Game)を中心にエンタテイメントの広いジャンルで支援を目指す。
ACG Networkは、ブロックチェーンの技術を用いた企画支援プラットフォームの活用が中心になる。クリエイターは、まず作品や企画をここに投稿する。支援者はこれらに応援コメントをすることが可能だ。さらにプラットフォームは、資金調達のためのクラウドファンディング機能を持っている。
資金調達には、ACG Networkが独自に発行・運営する公式トークンCATT(Content Aggregation Transfer Token)を用いる。CATTは仮想通貨イーサリアムと交換性を持ち、ブロックチェーン技術が活用される。
ACGによれば、ブロックチェーン技術を用いることで企画立案者の著作権が守られる。また企画実現は、プラットフォーム内での個人投票により決定する。企画実現とファンがダイレクトに結ばれるわけだ。
またACG の大きな特長に、日本のエンタテイメント業界で活躍する人材が多く関わっていることがある。ACG Network Japan株式会社の代表取締役CEOには、元日本テレビプロデューサーの前田伸一郎氏が就任。サンライズ、アニプレックスなど大手アニメ会社のエグゼクティブを務めた植田益朗氏、元「週刊ファミ通」編集長の加藤克明氏が取締役として参加する。
スタート時のプロジェクトには、勇者シリーズや『銀魂』の監督で知られる高松信司氏のオリジナルアニメ『GUN×GAL(仮)』、イシイジロウ氏原作の『The Missing Notes』、下村健氏プロデュースのメディアミックスプロジェクト『Teller Of Grim』が掲げられている。さらにACGの応援メッセージに高橋良輔監督、谷口悟朗監督らも姿を見せる。ビッグネームが並ぶ。
ブロックチェーン技術を活用したクリエイター支援プロジェクトは2018年になり、次々に打ち出されている。今後どのプロジェクトが主導権を持つのかは、混とんとしている。そのなかでACG Networkも有力なひとつとして関心を呼びそうだ。
ACG Network
https://acgn.io/