「僕のヒーローアカデミア」レジェンダリー実写企画、監督に佐藤信介を起用

映画

 2018年秋に発表されていた堀越耕平の人気マンガ『僕のヒーローアカデミア』の米国実写化企画がさらに進展しているようだ。2021年8月13日、米国の複数メディアによれば、映画製作会社のレジェンダリー・ピクチャーズは、本作の監督として日本の佐藤信介氏と契約した。日本の監督が米国の大作エンタテイメント映画の監督を務める例は珍しく、日本の映画監督の米国進出としても注目される。
 映画は日本国内の配給を東宝が担当するとされるが、世界配給会社や公開時期は発表されていない。現在、企画がどの程度具体化しているかは明らかになっていない。

 『僕のヒーローアカデミア』は、2014年の「週刊少年ジャンプ」で連載開始。多くの人が何かしらの特殊能力を持つ世界で、なんの能力も持たない主人公の少年デクがヒーロー養成をするための高校で成長していく。2016年にテレビアニメ化され大ヒット、その後3本の劇場アニメも製作されている。
 北米でもマンガ、アニメが多くのファンから支持されており、現在、米国で最も人気のある日本のマンガ・アニメである。2019年に公開された映画『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』は、2020年の北米公開で初週末興行ランキング4位に登場し、サプライズヒットとされた。こうした実績が企画進展につながっているとみられる。

 監督に起用された佐藤信介氏は1970年、広島生まれ。学生時代より自主制作映画を制作し、『LOVE SONG』(2001)の監督で注目された。『GANTZ』や『図書館戦争』『アイアムアヒーロー』『キングダム』などの代表作がある。2009年には劇場アニメ『ホッタラケの島 〜遥と魔法の鏡〜』も監督している。
 もともとマンガ原作の映像化を得意としてきたが、2020年12月に監督作品のNetflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス』が日本発の実写オリジナル作品過去最大のヒットになった。その実力と映画業界やファンにもアピール出来る顔としての起用だろう。米国のデッドラインによれば、佐藤信介氏は米国の大手タレントエージェンシーであるウィリアム・モリス・エンデヴァーとグランドビューのふたつと契約をしている。米国進出の環境も準備万全だ。
 
 製作のレジェンダリー・ピクチャーズは、『パシフィックリム』や『ダークナイト』『ジュラシックワールド』といったヒット大作を次々に送り出す映画製作の大手。直近ではSF大作『DUNE/デューン 砂の惑星』の公開が控えている。
 また日本のコンテンツの活用に積極的でハリッド版『GODZILLA ゴジラ』や『名探偵ピカチュウ』などを製作した。いずれの作品にも日本の東宝が製作に参加する。東宝は国内で『僕のヒーローアカデミア』のテレビ・劇場アニメシリーズを製作している。本作企画もさらに前進すれば、東宝との連携も期待出来そうだ。

レジェンダリー・ピクチャーズ https://www.legendary.com/

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