2018年1月5日より、Netflixオリジナルアニメ『DEVILMAN crybaby』が全世界同時配信をスタートする。永井豪の傑作マンガを湯浅政明監督が、現代を舞台にシリーズアニメに描く話題作だ。
開始直前となる12月28日、東京・渋谷のクラブWOMBにて「DEVILMAN NIGHT」と題されたイベントが開催された。WOMBは東京の音楽シーンを代表するクラブだが、その全体を『DEVILMAN crybaby』のイメージに合わせて演出。作中に登場する悪魔を呼び出すパーティー「サバト」を再現するものである。
音楽は作品ゆかりのアーティストが多数共演。主題歌「MAN HUMAN」を提供した電気グルーヴの石野卓球、劇伴を担当した牛尾憲輔、本編で声優出演もしたラッパー KEN THE 390、YOUNG DAIS、般若……。豪華の一言だ。
そのイベントの第1部では、配信に先立って『DEVILMAN crybaby』の第1話をプレミア上映した。湯浅監督も登壇し、トークもするなど、会場に詰めかけたファンから熱烈な歓迎を受けた。
まずは挨拶に立った湯浅監督。MCの吉田尚記さんに作品について聞かれると、「面白いに決まっている」、さらに「どんどん面白くなっていく」と自信に満ちた言葉が出た。その後の上映はまさに監督の言葉どおりの映像に来場者も大満足で、大きな拍手に包まれた。
第1話から目を惹いたのは、配信作品ならの妥協を許さないバイオレンス、そしてエロティシズムあふれる数々のシーンである。
湯浅監督は、当初からNetflixでの作品と聞いていたこともあり、バイオレンスを制限なく描けることは意識していたという。「どうしてもそこ(バイオレンス)に行かなければ描けない作品なので有難かった」と話す。
一方で、自身の中で、大人としての表現の規制を設けていたとも。エロティシズムはまともに描くと生々しい、かと言って笑いになってもいけない。バイオレンスやエロでありながら、どこかスタイリッシュで拒否感を持たせない演出は、こうしたところで成り立っているのかもしれない。
また原作については、「原作を読んで感じたことを描いた」と。「永井豪さんはこうしたかったのでは?」と原作の間のストーリーを補っている。
原作のストーリーの流れとはやや異なりながらも、永井豪の『デビルマン』を感じさせる、さらに湯浅監督のクリエイティブも輝く理由だ。
トークの後半には、本作のラップ監修を担当、さらにラッパーのワム役として出演もしたKEN THE 390さんが加わった。KEN THE 390さんは、ラップをネタでなくきちんと描いていたことで、作品にメチャメチャ参加したくなったと、参加のきっかについて熱弁。
湯浅監督によれば、ラップを重要なパートに使ったのは「彼らが歌うことで、状況説明してくれるから」と話す。ラップの特長を見事に物語に取り込んだわけだ。
そして監督はNetflixでの世界配信について、「今まで僕の作った作品では、一番多くの人に観て貰える」とグローバルな視聴者の存在に期待する様子だった。
さらに「最後まで観れば必ず満足してもられるはず」とも。Netflixではテレビシリーズとは異なり、全話が一挙に配信となる。1月5日には、全10話をいっき観する視聴者も続出しそうだ。