一般社団法人映画演劇文化協会は、映画製作者を顕彰する藤本賞の受賞者を発表した。2017年を対象とする第37回は映画『名探偵コナン から紅の恋歌』の製作チームから青山剛昌氏、近藤秀峰氏、米倉功人氏、石山桂一氏の4人が選ばれた。
青山剛昌氏はマンガ家で、原作『名探偵コナン』の作者。長年にわたり作品の世界観、アイディアを提供し続けている。近藤秀峰氏は小学館、米倉功人氏は読売テレビ、石山桂一氏はトムス・エンタテインメントに所属し、プロデューサーとして映画を支えている。
映画『名探偵コナン』は、1997年の『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』でシリーズをスタート。20年を超える歴史を誇るが、近年は毎年興行収入の記録を伸ばしている。子どもだけでなく大人でも楽しめるストーリーが人気につながっている。
『から紅の恋歌』では、興行収入過去最高の68億円超を記憶した。(2018年の『名探偵コナン ゼロの執行人』が記録を更新) こうしたファンの拡大の取り組みが評価されたと言えそうだ。『名探偵コナン』は第32回でもシリーズ製作に対して、藤本賞・特別賞を受賞している。
映画製作者、プロデューサーの業績を顕彰する藤本賞だが、近年はアニメ映画からの受賞が目立っている。昨年第36回の藤本賞は『君の名は。』の原作・監督の新海誠氏とプロデュースチームだった。また特別賞には『この世界の片隅に』の丸山正雄氏、真木太郎氏を選出している。第34回でも藤本賞に『STAND BY ME ドラえもん』の製作陣が選ばれている。
日本の映画製作や興行におけるアニメの役割が大きくなっていることも反映しているのかもしれない。
第37回はこの他、特別賞で映画『銀魂』のプロデューサー松橋真三氏が受賞した。松橋氏は若者向けの映画に手腕を発揮してきた。
また奨励賞は、住野よるのベストセラー小説を映像化し大ヒットになった『君の膵臓をたべたい』から。春名慶氏と臼井央氏が受賞している。