エンタテイメント大手のエイベックスが、電子マネー事業に進出する。2018年5月24日にエンタメコイン株式会社を、本年6月中に設立することを決定した。
資本金は9億9000万円で、全額エイベックスが出資する。本社はグループの拠点がある東京都港区南青山で、代表取締役社長に有田雄三氏が就任する。
新会社は電子マネーやプリペイド型支払サービスを提供することで、ユーザーに利便性の高い決済手段を提供する。エイベックスグループが得意とするエンタテイメント分野を中心に展開することを目指す。
発表された事業内容は、電子マネーなどの発行、販売や管理、電子決済システムの提供としており、幅広い領域を想定しているようだ。事業の主力がSuicaにようなカード型電子マネーなのか、電子マネーポイントサービス、あるいは現在注目される仮想通貨も含むのかは、現在は明らかでない。しかし、エンタメを軸に金融・決済分野に事業を拡張する方向性は確かなようだ。
エイベックスは、音楽やライブ、映像・アニメなどの分野の大手企業としてよく知られている。一方で5月11日に発表して経営戦略計画「未来型エンタテインメント企業」では、新事業・イノベーションを強く打ち出している。
近年はベンチャーキャピタル子会社エイベックス・ベンチャーズを通じた出資を通じて、VR、ロボット、ファッション、動画、旅行、スポーツなどこれまでにない分野に出資している。新事業の子会社設立も積極的だ。
ITテクノロジーと金融を組み合わせたフィンテック/ブロックチェーン分野も、今後の方向性として挙げられていた。エンタメコイン株式会社設立は、そうした戦略をかたちにした。