長編部門「未来のミライ」「若おかみは小学生!」がコンペイン アヌシー映画祭で日本作品多数上映

アヌシー国際アニメーション映画祭2018

 4月23日、フランス・パリでアヌシー国際アニメーション映画祭と併催ビジネスマーケットMIFAの開催に向けた記者会見が開催された。映画祭の長編部門のオフィシャルコンペ作品を発表した。
 また2018年6月11日から27日までの期間中の多彩なプログラムも明かされた。映画祭は長編部門、短編部門をはじめとするオフィシャルコンペティションだけでなく、数々の特集上映や企画などから構成されている。またMIFAではカンファレンスやピッチなども実施する。世界最大の映画祭に相応しい、華やかな一週間になりそうだ。

 発表でまず注目されるのは、長編部門のオフィシャルコンペティションだろう。世界各国から10作品が選ばれたが、日本からは細田守監督の『未来のミライ』(スタジオ地図)と、高坂希太郎監督『若おかみは小学生!』(マッドハウス)の2本が入った。
 グランプリにあたるクリスタル賞などを巡り競うことになる。2017年にはクリスタル賞に『夜明け告げるルーのうた』、審査員賞に『この世界の片隅に』が輝いているだけに、今年も期待が高まりそうだ。
 『未来のミライ』は7月20日に国内で全国公開する。すでにカンヌ国際映画祭の監督週間への選出も決まっている。公開前からまず、世界で注目を浴びる。『若かみは小学生!』は2014年にテレビシリーズが放送されており、その劇場版にあたる。
長編映画ではコンペティションではないが、特に観客に紹介したい作品としてアウト・オブ・コンペテイョンも12作品選ばれている。こちらには山田尚子監督の『リズと青い鳥』(京都アニメーション)、岡田麿里監督の映画『さよならの朝に約束の花をかざろう』(PAワークス)が挙がった。

 これら以外でも日本作品は数多く上映される。特別上映では昨年「WORK IN PROGRESS」でも紹介された『GODZILLA 怪獣惑星』第1章と第2章がある。
 旧作の作品上映では『千年女優』(今敏監督)、『となりのトトロ』(宮崎駿監督)、『セロ弾きのゴーシュ』(高畑勲監督)、『サティのパラード』(山村浩二監督)、『Bloody Date』(長尾武奈監督)。『となりのトトロ』は広く市民が楽しめる野外上映にも登場する。

 ビジネス分野をカバーするMIFAにも、日本からの作品がある。これから公開される作品の制作過程を紹介する「WORK IN PROGRESS」には、8月公開の『ペンギン・ハイウェイ』(石田祐康監督)、そしてフランスのバンドデシネを原作に日本でTVアニメ化する『ラディアン』(岸誠二監督)が紹介される。
 企画ピッチでも、今年は日本から挙がっている。昨年学生部門で審査員賞を受賞した冠木佐和子監督『I‘m LATE』が日仏共同企画として、齋ジュリア愛、ニコラス・グアリン両監督『Ring Ring Kirin』のふたつがある。『I‘m LATE』は日本のニューディアーの参加するプロジェクト、『Ring Ring Kirin』は昨年デンマークで実施されたニッポンノルディックのワークショップで選ばれた。
 近年のアヌシーでは、オフィシャルコンペ以外でも日本の存在感が増している。2018年も、日本のアニメーションの最新動向がアヌシーで紹介されそうだ。

アヌシー国際アニメーション映画祭
https://www.annecy.org/home

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