2018年のアヌシー国際アニメーション映画祭にまた2本、日本からのアニメーション作品が加わる。3月27日、映画祭を運営するCITIAは、テレビ番組部門(TV Films)と受託作品部門(Commissioned Films)のオフィシャルコンペ作品を発表した。
このうちテレビ番組部門には、日本のプロダクション I.Gの製作した『B :The Beginning』、そして日本のHuluなどが製作、米国のアニメーションスタジオであるトンコハウスが制作した『ピッグ 丘の上のダム・キーパー』の名前が挙がった。
映画祭のオフィシャルコンペは、グランプリを選ぶためのノミネートに当たるものだ。テレビ部門では今回、世界各国から23作品が選ばれている。6月に開催される映画祭の最終日には、この中からグランプリなどのアワードが発表される。
作品は、フランスをはじめとしたヨーロッパ、北米は勿論、日本、ブラジル、タイ、中国、ウルグアイ、ロシアといった国の作品も見られる。また23作品はこれまでになく数が多く、アヌシーがこの分野にこれまで以上に力を入れていることがわかる。
日本からの2作品は、TV部門でありながらいずれも配信プラットフォームが主体になっているのが、新しいアニメ時代を感じさせる。
『B :The Beginning』はNetflixオリジナルアニメとして、3月から世界190ヵ国に配信されている。現在のところテレビ放送の予定はない。『キル・ビル』のアニメパートなどで知られる中澤一登が監督する近未来クライムストーリーである。
『ピッグ 丘の上のダム・キーパー』は、日本のHuluのオリジナルアニメとして製作された。日本のHuluで配信された後、NHKで放送されている。制作は米国のトンコハウス。堤大介やロバート・コンドウなどが活躍するスタジオと知られるが、本作ではエリック・オー監督が中心となった。
受託部門は31本から選出されたが日本からの作品はなかった。アヌシーはすでに短編部門、学生部門などのオフィシャルコンペが発表されている。日本からは短編部門(short Films)に山田遼志氏の『Hunter』、学生部門(Graduation short Films)には谷耀介氏の『怪獣神話』が選ばれている。
残る発表は、長編映画部門のみだ。こちらでも日本から選出が期待されるが、発表は4月下旬を予定している。
アヌシー国際アニメーション映画祭
https://www.annecy.org/