アヌシー国際アニメーション映画祭 作品とプロジェクトの公募開始

『千と千尋の神隠し』

世界最大規模の国際アニメーション映画祭であるアヌシーは、映画文化だけでなくMIFAに代表されるビジネス、人材・教育とあらゆる領域でアグレッシブに拡張している。いまや世界のアニメーション関係者にとって、もっとも目が離せない国際イベントになっている。
2017年は6月12日から17日までを映画祭、13日から16日までは国際見本市MIFAのスケジュールを予定している。開催まではまだ半年以上あるが、次回に向けて早くも作品と企画(Project)の募集を開始した。

作品のエントリーは、映画祭の目玉となるオフィシャルコンペティションに向けたものになる。ここに選ばれれば、映画祭の最後に発表される各アワードの選考対象になる。公募部門は短編(Short films)、テレビ番組(TV films)、受託作品(Commissioned films)、学生(Graduation films)、そして長編(feature film)から構成されている。長編部門の応募締め切りは2017年3月15日、それ以外の部門は2月15日、いずれも映画祭開催よりかなり早めだ。
また長編部門は、映画祭の最終日直後の6月17日にフランスで商業リリースをしていないことが条件になる。フランスでの公開、配信、映像ソフトの発売を予定している場合は注意が必要だ。また今回から、テレビ番組部門、受託作品部門でのパイロット作品の応募は認められなくなるのも大きな変更点である。

2016年は世界から約2700本の応募があったが、コンペティションの対象にならないアウト・オブ・コンペを含めて選ばれたのは1/10以下の236本。選考は厳しく、それだけにコンペインは作品にとっても作り手にとっても大きなキャリアになる。
日本からはコンペティションに9作品、アウト・オブ・コンペに11作品が選出された。残念ながら2016年は日本からの受賞はなかったが、それだけに次回への期待もかかる。

そして、現在は作品自体に比べて日本から応募が少ない企画部門も見逃せないセクションである。こちらは短編(Short films)、テレビシリーズ&テレビスペシャル(TV series and specials)、映画(Feature films)、トランスメディア(Transmedia)などになる。
選出されるとMIFAの場で企画プレゼンテーション(ピッチ)の機会を得ることができる。ビジネスチャンスを広げることが可能だ。応募締め切りは2017年2月1日となっている。

Annecy 2017 competition
http://www.annecy.org/take-part/submit-a-film
Mifa pitches 2017 
http://www.annecy.org/take-part/submit-a-project

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