ツインエンジンがラインナップ発表 TVアニメ化決定4作品、海外配信はAmazonが独占

どろろ

 2014年10月に設立のアニメ企画会社ツインエンジンが、事業を急拡大している。3月19日に、4作品のテレビアニメ化決定とさらにテレビアニメ企画進行中の1作品のラインナップを発表した。
 テレビアニメ化決定は、⼿塚治⾍のマンガを原作に50年ぶりにアニメ化される『どろろ』、人気作家・野崎まどかの小説『バビロン』のアニメ化、三宅乱丈のマンガ『ペット リマスター・エディション』を原作にした『pet』、そして雪村誠が北欧のバイキングを描く歴史マンガ『ヴィンランド・サガ』のアニメ化である。さらに藤⽥和⽇郎のマンガ『からくりサーカス』のテレビアニメ化も進行中だとする。いずれもマニアを唸らせる原作が並ぶ。

 ツインエンジンは設立から3年半と社歴は短いが、作品企画は破竹の勢いだ。2017年に、テレビアニメ『クズの本懐』、『虐殺器官』を製作、企画協力した『夜は短し歩けよ乙女』、『夜明け告げるルーのうた』は国内外で映画賞を次々に攫っている。
 2018年に入り、こうした勢いが加速している。1月期に『刻々』は、4月期には『ゴールデンカムイ』が登場。8月には『ペンギンハイウェイ』の劇場公開も決まっている。今回はこれらに続く一挙5作品の新作情報になった。

 タイトル数の多さ、ビジネスのスピードの早さに加えて注目されるのは、ツインエンジンが新しいビジネスモデルを積極的に取り入れていることだ。『刻々』では、従来の深夜テレビアニメで多かった製作委員会による製作でなく、ツインエンジン一社での出資を選択したのが話題を呼んだが、今回もそうした試みが続く。
 アニメ化決定4作品のうち『どろろ』、『バビロン』、『pet』の3作品は、製作がいずれも製作委員会でなく、ツインエンジンとされている。これらも同社の一社出資と見ていいだろう。
 1タイトル1クール(3ヵ月)で数億円とされる製作費は大きいが、これを成り立たせる仕組みは配信ビジネスにありそうだ。ツインエンジンによれば、『からくりサーカス』を含めた5作品はいずれもグローバル規模のストリーミング動画配信サービスAmazon プライム・ビデオでの海外独占配信が決まっている。逆に放送局は今後随時発表としており、配信先行の企画であることがわかる。あらかじめ配信ライセンスの販売先を確保することで、ビジネスのリスクを軽減させることを実現する。
 さらに製作がツインエンジンの作品のうち、『バビロン』のアニメーション制作はREVOROOT、『pet』はジェノスタジオとなっている。いずれもツインエンジンの子会社だ。つまり企画からアニメーション制作までの全てが、グループ内で完結する。ビジネス周りの決定や、進行も従来よりも早くなるはずだ。

 もちろん優れた作品があってこそビジネスは成り立つ。ツインエンジンは、ここでも挑戦的だ。手塚治虫の傑作のなかでもとりわけストーリーが濃密な『どろろ』、刺激性が高い野崎まどかの小説、長らくアニメ化が望まれながらスケール感の大きさが難題となってきた『ヴィンランド・サガ』などギリギリを攻める。
 一方で、『pet』では監督に⼤森貴弘、シリーズ構成に村井さだゆき と、人気と実力を兼ね備えたスタッフを配する。ここで企画に説得力を与える。
 2018年のアニメ業界の台風の目となるのか、ツインエンジンの今後の動きは目が離せなさそうだ。

ツインエンジン https://twinengine.jp

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