出版業界とアニメ業界で、それぞれ先鋭的なビジネスに取り組んできた2つの会社が手を組む。作家とその作品のエージェント、企画、プロデュースを行うストレートエッジと複数のスタジオから多彩なアニメ作品を届けるツインエンジンだ。
両社が共同で新しい文芸賞「アニメで世界へ!小説大賞」を主催する。2024年9月6日から「小説家になろう」公式サイトにて募集受付を開始した。
「アニメで世界へ!小説大賞」は、タイトルどおりアニメ化を前提にしたアワードである。優れた才能ともにアニメ化を実現し、世界に発信することが目的だとしている。
アニメ化や出版を確約する小説コンテストは、これまでにも少なくない。しかし今回はプロジェクトに参加する企業の枠組みのユニークさが注目される。
主催のひとつストレートエッジは、『ソードアート・オンライン』や『魔法科高校の劣等生』など数多くのヒット作を世に送り出してきた編集者・三木一馬氏が2016年に設立した会社である。三木氏は才能を見抜く目に定評があるだけでなく、ストレートエッジでは出版を越えて作品を世に届ける幅広い取り組みをしている。今回の小説大賞もその取り組みのひとつと言っていいだろう。
もう一方のツインエンジンは、フジテレビ出身の山本幸治氏が2014年に設立した。ツインエンジンで企画・マネジメントを手がけながら、多数のグループスタジオで特徴のあるアニメを制作する。こちらも従来のアニメ会社とは異なるスキームを目指している。
受賞作のリワードは4つになる。まず賞金として100万円が渡される。金額は大きいが、小説家を目指す応募者にとってより魅力的なのが、残りの3つだろう。
まずコンテストの協力出版社から書籍化が決まっている。協力企業として実業之日本社が書籍刊行を担当する予定だ。さらにコミック化も確約されている。
そしてアニメスタジオによるアニメ化が約束されている。プロジェクトには、ゼクシズやWIT STUDIO、スタジオコロリドをはじめ十数社のアニメスタジオが審査に参加している。各社がアニメ化を検討する。またゲーム化も検討するとしており、受賞することでいっきのメディアミックスの同時展開が実現する。
応募はプロでもアマチュアでも可能で、作品ジャンルは問わない。作品は3万文字以上が必要だが、必ずしも完結している必要はない。
「小説家になろう」公式サイトに、「アニセカ小説大賞1」のキーワードをタグ付けすることで応募が完了する。応募は2024年12月5日まで、2025年2月上旬までに第一次選考、3月下旬までに第二次選考をジッスする予定だ。2025年5月頃の最終結果発表を目指す。
アニメで世界へ!小説大賞
https://www.aniseka.com/