スタジオジブリ 宮崎駿 新作長編アニメで新人動画・背景を募集

映画ビジネスのニュース

 宮崎駿監督の引退撤回宣言から、今後の動向が注目されていたスタジオジブリがいよいよ動きだしている。2017年5月19日、スタジオジブリは自社サイトにて、「宮崎駿 新作長編アニメーション映画制作」のためのスタッフ募集を開始した。
 募集職種は動画を担当するアニメーター、背景美術、それぞれ若干名とする。いずれも18歳以上で日本語能力があれば、国籍を問わない。また「新人」が対象だが、応募の段階ですでにアニメ業界で働ていてもよい。雇用形態は契約社員、給与は月20万円以上、交通費支給、賞与年2回、週休2日と、新人スタッフの雇用環境はよくないとされているアニメ業界では安定した条件だ。

 スタジオジブリは、宮崎駿監督の長編作品からの引退発表もあり、2014年に制作部門を解散した。その際に、アニメーターや背景美術といった制作部門のスタッフも退職している。
 宮崎駿監督の引退撤回宣言後、アニメーション制作の現場がどこになるかが関心を集めてきた。一度、解散した制作現場を再構築するのは困難とみられるからだ。しかし、今回のスタッフ募集からは、スタジオジブリが新たに自社に制作現場を作ることが分かる。少なくとも制作の一部は、スタジオジブリ内ですることになりそうだ。

 ただし今回募集するのは若手スタッフで、その数もごく少数だ。スタッフの補充であると同時に、映画制作の現場で新しい才能の発掘と育成をしたいとの考えも見て取れる。
 募集の際の文言には、「年齢的には、今度こそ、(宮崎駿の)本当に最後の監督作品になるでしょう。」としている。そのうえで、「この映画制作完遂のために、若い力を貸して下さい。」とする。巨匠と伴に仕事をする数少ない機会だけに、応募者も多くなりそうだ。

 また、今回のスタッフの契約は2017年10月からスタート、3年契約となっている。終了は2020年9月だ。「契約期間の延長や、期間の定めの無い雇用への変更は、原則としてありません。」ともしている。
 先日、スタジオジブリの鈴木プロデューサーは、宮崎駿監督の新作映画の2019年の完成は難しいとの見解を明らかにしたばかり。今回の契約条件からは、2020年下期から2021年の完成を目指していることが窺われる。

宮崎駿 新作長編アニメーション映画制作のためのスタッフ(新人)募集
http://www.ghibli.jp/info/011243/

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