アメコミ文化が日本に融合? 7月から2つのスーパーヒーローTVアニメがスタート

 『マーベル フューチャー・アベンジャーズ』

■ 3年ぶりの日本オリジナルのマーベルアニメ、制作はマッドハウス

 マーベル・コミックスやDCコミックスのスーパーヒーローたちを主人公とした映画やテレビドラマが、世界的にますます人気となっている。コミックスと馴染みの深いアニメーションも同様だ。
 そうしたなかで2017年夏、スーパーヒーローをコンセプトにした日本制作の新作テレビアニメシリーズが2本スタートする。マーベルのキャラクターが登場する『マーベル フューチャー・アベンジャーズ』と、日米の原作者が生み出したオリジナル作品『THE REFLECTION(ザ・リフレクション)』である。

 『マーベル フューチャー・アベンジャーズ』は、悪の組織による遺伝子操作で超人的な能力を持たされた少年たちが、アイアンマンやキャプテン・アメリカ、ソーらに弟子入りし、真のヒーローを目指す。
 世界観をマーベル・ヒーローとしながら、少年を主人公にしたオリジナルストーリーで、日本のこどもたちに親しみやすくなっている。アニメーション制作はマッドハウスで、キャラクターも日本アニメスタイルとなった。2014年の『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』以来の日本オリジナルのマーベル・ヒーロー作品の登場だ。

 アニメーション制作は、『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』の東映アニメーションから、今回はマッドハウスに変った。マッドハウスは2010年から「マーベル・アニメ」シリーズとして『アイアンマン』、『ウルヴァリン』、『エックスメン』、『ブレイド』のテレビシリーズを制作した。これらはヤングアダルトを視聴ターゲットにしていたが、今回はキッズ向けになる。
 放送はディズニーグループが運営する衛星チャンネルDlifeで7月22日からスタート。土曜日20時~と子どもにも観やすい。

 マーベルとディズニーが、米国以外の国で既存のキャラクターを利用してその国向けのアニメーションを作るケースは少ない。しかし、日本では「スティッチ!」シリーズ(ディズニー)や、「マーベル・アニメ」シリーズ、『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』などがある。人気のアニメを通じて日本でのキャラクターの浸透を図ろうとの考えが見られる。
 とりわけマーベル・ヒーローは日本でも人気は高いが、世界各国での絶大な支持に較べるとやや力不足だ。アニメを観ることで子どもの頃からキャラクターを知ってもらおうとの長期戦略が窺える。

■ 原作スタン・リー×長濱博史 『THE REFLECTION』とは?

 より日本カルチャーとの融合度の高いのが、同じ7月22日から放送される『THE REFLECTION(ザ・リフレクション)』だろう。これまでは『THE REFLECTION WAVE ONE』と紹介されていたが、正式タイトルがこのほど決定した。
 ヒーローをコンセプトにした完全オリジナルの原作は、『アイアンマン』や『スパイダーマン』、『X―メン』を生み出したアメコミ界の巨匠スタン・リーと、『蟲師』や『惡の華』の監督で高い評価を得てきた長濱博史が担当する。長濱は監督も務め、アニメーション制作はスタジオディーンになる。音楽はイギリスのトレヴァー・ホーンと、グローバルな取り組みが特長だ。

 土曜日23時からNHK総合テレビでの放送枠は、『3月のライオン』、『アトム ザ・ビギニング』に続くものだ。全国で視聴者の多い理想ともいえる放送時間は、作品に対する期待の大きさも感じさせる。
 一方で本作は2015年秋にロサンゼルスのイベント「OMIKAZE EXPO2015」でまず製作発表された。日本だけでなく、海外のアメコミファンのマーケットも狙っているようだ。

 『アベンジャーズ』はアメコミを日本アニメスタイルにすることで、日本で人気を広げる。一方で、『THE REFLECTION』は日本アニメにアメコミ文化を注ぎ込むことで海外展開を目指す。同じ日米カルチャー の融合だが、その方向性が異なっている。
 しかし日本、そして世界に対しても日本アニメを通すことで、カルチャーをより広げたいとの目的は同じだ。

『マーベル フューチャー・アベンジャーズ』
原作: マーベル・コミックス
製作: ウォルト・ディズニー・ジャパン
アニメーション制作: マッドハウス
シリーズ構成: キング・リュウ
キャラクターデザイン: 梅原隆弘
監督:佐藤雄三

『THE REFLECTION (ザ・リフレクション)』
http://thereflection-anime.net
原作:スタン・リー/長濱博史
監督: 長濱博史
脚本: 鈴木やすゆき
音楽プロデューサー: トレヴァー・ホーン
キャラクターデザイン: 馬越嘉彦
アニメーション制作: スタジオディーン
制作・著作: THE REFLECTION製作委員会

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