一般社団法人VFX-JAPANは、2018年3月8日に東京・秋葉原UDXシアターにてVFX-JAPAN アワード 2018 表彰式を開催した。1月に発表されていた8部門からなる優秀賞25作品の表彰式が行われた。
またこの場で、各部門受賞作品からさらに最優秀賞が選出、発表された。過去一年でリリースされたVFX・CG作品で最も優れた成果を見せた数々の映像が並んだ。
劇場実写映画部門は、出光興産の創業者・出光佐三をモデルに世界を股にかけて石油ビジネスを繰り広げた男の半生を描いた『海賊とよばれた男』が最優秀賞である。『東京喰種 トーキョーグール』や『亜人』といったSF・ファンタジーアクションを退けての受賞である。
またテレビ番組部門は、連続テレビ小説「ひよっこ」タイトルバックに決定した。本編でなくタイトルバックにピンポイントにフォーカスして選ばれた。
今回は8部門のうち3部門でアニメーションが受賞し、アニメーションの存在感を見せつけた。ひとつは、劇場アニメーション部門の『BLAME!』。そして今回から新たに設けられたテレビ番組 アニメCG部門の『宝石の国』。こちも今回からとなったショートフィルム部門も、洋画大作に連動して日本で制作されたアニメーション『ブレードランナー ブラックアウト 2022』である。トップアニメーターの参加が話題を呼んだが、VFXのクオリティも評価された。
『BLAME!』はセルスタイルのCGを目指すポリゴン・ピクチュアズが、1本の劇場映画として描き切った。『宝石の国』はセルスタイルのCGで定評あるオレンジが初めてテレビシリーズの元請を担当するなかで新しい映像に挑戦した。共にセルスタイルを呼ばれることが多いが、セルスタイルともフルCGとも異なる独自のスタイルを確立している。
さらにゲーム映像部門は『グランツーリスモSPORT』、CM・プロモーションビデオ部門は新幹線YEAR2017「四季を走る新幹線」、先導的視覚効果部門は第67回 NHK紅白歌合戦 都庁中継となった。実写、アニメ、ゲームから音楽番組、舞台、科学番組まで、VFX-JAPAN アワードからはVFX・CGの技術が幅広い映像番組に使われていることが判る。
VFX-JAPANは日本のCG・VFX業界の発展を目指すことを目的に、2012年に設立された。過去1年間に公開されたCG・VFX作品から、VFX-JAPAN理事、特別会員、業界有識者の投票によって優秀賞作品を決定する。さらにVFX-JAPAN会員の投票により、最優秀賞が選ばれる。VFX-JAPANアワードは今年6回目と比較的若いアワードだが、VFX・CGの急激な発達により注目が増している。
VFX-JAPANアワード2018
https://vfx-japan.jp/award/
■ 劇場公開実写映画部門最優秀賞
『海賊とよばれた男』
■ 劇場公開アニメーション映画部門最優秀賞
『BLAME!』
■ テレビ番組 VFX部門最優秀賞、
『連続テレビ小説「ひよっこ」タイトルバック』
■ テレビ番組 アニメCG部門最優秀賞、
『宝石の国』
■ ゲーム映像部門最優秀賞
『グランツーリスモSPORT』
■ CM・プロモーションビデオ部門最優秀賞
『新幹線YEAR2017「四季を走る新幹線」』
■ ショートフィルム部門最優秀賞は、
『ブレードランナー ブラックアウト 2022』
■ 先導的視覚効果部門最優秀賞
『第67回 NHK紅白歌合戦 都庁中継』