中国の日本アニメ配信大手ビリビリ、NY上場申請へ 中国メディア報道

ファイナンス決算

 中国で日本アニメ配信の主要プラットフォームとして知られているビリビリが、ファイナンスで海外に進出する可能性が高まってきた。中国のエンタテイメントビジネス情報サイト三文娯(3wyu.com)によれば、ビリビリは2018年3月3日に米国ニューヨーク証券取引場に上場申請を提出した。
 ビリビリはかねてより中国本土や香港でなく、米国での株式上場を目指すとしていたが、早くも実現に向けて動き出す。ベンチャー企業への投資が積極的な米国市場で新たな資金調達をするだけでなく、企業名の認知度や信頼感の向上を目指すことになる。現在は日本にビジネス進出しているが、さらにグローバルなビジネス展開の可能性も広がる。
 現在同社の株式は、創業者・経営者が1/3以上を保有している。このほか中国系投資ファンドCMC、米国の投資ファンドIDGなども出資、またテンセントも5.2%の株主となっている。上場にあたり新たに4億ドルを調達する予定だ。

 ビリビリは中国の動画配信プラットフォームとして2009年に事業をスタートした。アニメや投稿動画、ネット発のタレントやアーティストの活躍で知名度が高い。日本のニコニコ動画を参考にしたという弾幕と呼ばれる動画画面へのコメントの書き込みが人気を呼び急成長してきた。2017年末には、月間アクティブユーザーは7180万人に達した。
 とりわけ日本アニメの配信は、ビリビリの目玉となっている。この分野では大手動画配信サイトの優酷や愛奇芸と伍した存在感を発揮する。日本の中国向けアニメ番組販売においても、大口の顧客である。2009年より日本法人を設立、現在は東京・日本橋の本社と、秋葉原のラジオ会館にも拠点を持つ。
 近年は急激にビジネスを拡大しており、なかでもアプリゲーム事業が牽引している。日本からライセンスを受けた『Fate/Grand Order』や、中国の大ヒット作『アズールレーン』といったタイトルがある。さらに積極的な企業買収や投資を続け、現在は動画配信サイトというよりもこの分野での持株会社の色合いが濃く、中国のアニメ・マンガ・ゲーム業界の台風の目となっている。

 これまでは中国の非上場企業ということもあり、その経営実態は不明な点が多かった。しかし今回の上場申請で会社の概要を説明した目論見書が公開され、その一部が明らかになっている。
 2017年は24億6800万元(約407億円)とすでにかなりの売上高になっている。これは2016年の4倍以上にもなる。このうち83.4%がゲーム関連事業だという。配信事業は7.1%、広告事業は6.5%だ。ここからもアプリゲームの役割の大きさが窺える。
 ただしスタートから日が浅いITベンチャーによくあるように、現在の事業は赤字を続けている。ゲーム事業であげた収益のエンタテイメント関連の企業出資や、海外事業、コンテンツ獲得への積極的投資を重視する。コンテンツ投資の中には日本アニメも含まれている。短期的な収益でなく、長期的な成長を目指している。
 ビリビリはアニメやゲームのコンテンツ、ライセンスといった分野では、日本企業とも関係が深い。それだけに同社の急成長と、さらにニューヨーク上場申請に代表される海外戦略は今後も無視できない動きとなるだろう。

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