VFX-JAPANアワード最優秀賞「ニンジャバットマン」や「シンカリオン」など受賞

アワード/コンテスト

 一般社団法人VFX-JAPANは、2019年3月6日に東京・秋葉原UDXシアターにて「VFX-JAPANアワード2019表彰式」を実施した。2018年に国内で大きな成果を残したCG・VFXの映像作品とそのスタッフを顕彰するものだ。
 当日会場では、すでに発表されていたジャンルごとの優秀賞の表彰を行った。さらにこの場で優秀賞の中からさらに最優秀賞が各1作品発表された。

 アワードに設けられた部門は、全部で7つ。まず劇場映画が実写映画部門とアニメーション映画部門のふたつ。テレビ番組はVFX部門とアニメCG部門のふたつとされている。
 さらにゲーム映像部門、CM・プロモーションビデオ部門、先導的視覚効果部門の3つがあり、幅広いVFXとCGの映像をカバーする。受賞作品を見渡すことで、2018年の一年間の業界の動きも理解できるようになっている。

 このうちアニメーションに特化した劇場公開アニメーション映画部門最優秀賞は、DCコミックのヒーロー「バットマン」の活躍の場を戦国時代に置き換えた『ニンジャバットマン』が選ばれた。作品は斬新な世界観が話題を呼んだが、映像も大きな魅力のひとつだ。日本らしい舞台に相応しくセルタッチかつCGで表現している。セルスタイルCGの到達点のひとつになっている。受賞者は神風動画CGI監督の水野貴信氏、そしてYAMATOWORKS CGI監督の澤田覚史氏の両名である。
 優秀作品には『スターシップ・トゥルーパーズ レッドプラネット』、『GODZILLA 決戦機動増殖都市』、『ペンギン・ハイウェイ』、『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』。2018年が優れた作品に溢れた一年であったことがわかる。

 テレビ番組アニメCG部門は、『新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION』。玩具と連動した男児向けのヒット作だが、作品の要はお馴染みの新幹線がロボットに変形する楽しさだ。CGアニメならではの迫力とリアル感で子どもたちにアピールした。小学館ミュージック&デジタル エンタテイメント映像制作事業部の安田兼盛氏と山野井創氏が受賞した。
 このほか優秀賞が『刻刻』と『ひそねとまそたん』となった。いずれも手描きアニメのCGパートの作品で、2Dと3Dのハイブリットという現在のテレビアニメの潮流がここからも現れた。

 アニメ作品はCM・プロモーションビデオ部門でも、最優秀賞に輝いた。『カップヌードルCM「HUNGRY DAYS 最終回 篇」』である。往年の人気アニメを最新の映像でアレンジして話題になったCMシリーズの最終回にあたる。
 最終回はオリジナルキャラクターとなったが、告白をする少年と受ける少女の物語の背景がなぜか世界滅亡。崩れ落ちて行く世界と、次々に変容していく映像が特長だ。制作はslanted、ディレクターの山内太氏が受賞した。
 このほか劇場公開実写映画部門に『DESTINY 鎌倉ものがたり』、テレビ番組 VFX部門に『NHK スペシャル 「人類誕生」』、ゲーム映像部門に「Project Awakening」、先導的視覚効果部門に「チコちゃんに叱られる!」が選ばれた。いずれも2018年を代表する、誰もが納得のラインナップだ。

一般社団法人VFX-JAPAN
https://vfx-japan.jp/award/

[各部門最優秀賞]

【劇場公開実写映画部門】
『DESTINY 鎌倉ものがたり』
株式会社白組 調布スタジオ VFXディレクター 渋谷紀代子
【劇場公開アニメーション映画部門】
『ニンジャバットマン』
神風動画 CGI監督 水野貴信
YAMATOWORKS CGI監督 澤田覚史
【テレビ番組 VFX部門】
NHK スペシャル 「人類誕生」
Luminous Productions CGディレクター 綿森勇
スクウェア・エニックス CGデベロップメント・マネージャー 本崇臣
【テレビ番組 アニメCG部門】
新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION
小学館ミュージック&デジタル エンタテイメント 映像制作事業部 安田兼盛/山野井創
【ゲーム映像部門】
Project Awakening
Cygames 3DCGアーティストチーム 細谷宜史/サブマネージャー 島村亜空
【CM・プロモーションビデオ部門】
カップヌードルCM 「HUNGRY DAYS 最終回篇」
slanted ディレクター 山内太
【先導的視覚効果部門】
チコちゃんに叱られる!
NHKアート総合美術センター デジタルデザイン部 CG映像 担当部長 林伸彦/中野大亮

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