CGアニメーションの有力スタジオのサンジゲンが、地方都市でのスタジオ展開を進めている。2017年4月に名古屋市に新たなスタジオを開設することを明らかにした。サンジゲン名古屋スタジオとして、セルルックのCGアニメーションを手がける。
サンジゲンはこれまでも地方スタジオの設立と増強に力を入れている。地方にスタジオを設けるのは、2012年の京都スタジオ、2015年の福岡スタジオに続き、3か所目になる。東京本社と併せて4拠点体制となる。
サンジゲンは2006年3月に代表取締役の松浦裕暁氏らにより設立。今年で10周年を迎えた。CGアニメーションで、従来のセルルックの2Dアニメーションのようなビジュアルを作るのを得意としている。『蒼き鋼のアルペジオ‐アルス・ノヴァ‐』や『ブブキ・ブランキ』、『009 RE:CYBORG』などの代表作がある。
CGアニメーションの需要の拡大と共に事業を拡大しており、2016年8月現在で従業員は150名あまりにもなる。国内を代表するCGアニメーション企業として知られる。
CGアニメーション企業では、事業の拡大に伴い海外にスタジオ拠点を設けるケースが近年増えている。その中でサンジゲンは、日本の地方都市でのスタジオ設置を戦略的に広げている。東京圏で不足する優秀な人材を、地方にウィングを広げることで確保する独自の戦略だ。
サンジゲンも統括する持株会社のウルトラスーパーピクチャーズは、同社のほかトリガー、ライデンフィルム、Ordetといったアニメーション制作会社を擁する。こうした企業でも、地方での拠点づくりは活発だ。
2Dアニメーションのライデンフィルムは、大阪スタジオと京都スタジオとふたつを設けている。またトリガーも福岡スタジオを開設している。ライデンフィルムの京都スタジオはサンジゲンと同じビルに位置し、東京本社と同様、2Dアニメと3Dアニメのふたつのスタジオが隣接することで、制作の連携をしていることが分かる。
2Dと3Dの制作の融合、アニメーション文化の地方への拡大、ウルトラスーパーピクチャーズとサンジゲンの試みは、今後も注目されそうだ。