日本動画協会は2021年11月4日に、国内外の日本アニメの産業動向をとりまとめた「アニメ産業レポート2021」を刊行した。これに合わせて前年2020年の国内外の日本アニメ市場規模を算出、公表をした。
発表によれば、2020年の日本アニメのグローバルでのリテール市場にあたるアニメ産業市場は2兆4261億円であった。2019年比では3.5%の減少だった。アニメ産業市場は2010年以来10年間連続で増加を続けてきたが、11年ぶりの前年比マイナスになった。
またアニメ制作会社の売上げから算出するアニメ業界市場は、2744億円。こちらも前年比で9%の減少で、11年ぶりの前年比マイナスである。
前年比マイナスの理由は、20年初頭から世界中に広がった新型コロナ感染症の影響である。配信と海外以外の全ての項目が前年比でマイナスとなったが、なかでもライブエンタテイメントは66.6%減の290億円と特に大きな影響を受けている。
一方で配信市場は、巣籠り需要にも後押しされ35.8%増と大幅に成長した。930億円の金額は、映像ソフト市場466億円の倍以上になる。
2020年のもうひとつ大きなトピックスは、海外市場が国内市場を上回ったことだ。国内が前年比マイナスで1兆1867億円になった一方で、海外は3.2%増の1兆2394億円だったためだ。近年は海外市場の急成長で両市場は拮抗していたが、逆転したのは今回が初である。
市場推計にあたっては、毎年アニメ制作会社へのアンケートと各種発表資料に基づいている。今回は元請け制作69社からアンケート回答を得ている。
「アニメ産業レポート2021」はA4で132ページ、全体の市場動向のほか、「テレビ」「劇場」「ビデオパッケージ」「ネット配信」「商品化」「二次利用」「音楽」 「ライブエンタテイメント」「海外動向」の分野ごとの統計と解説を掲載している。この他、特別編として「アニメ産業の働き方」や「新型コロナ禍」「教育事情」「地方進出」などを特集している。さらに2022年3月31日にネット上で公開される「年間パーフェクト・データ」も利用可能になる。
価格は1万1000円(税込)、エスピーアイ・インフォメーションにて書籍版とダウンロード版を購入する。また東京。秋葉原のAKIBA INFO.×TOKYO ATOMと京都国際マンガミュージアムショップでは店頭販売もする。
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