アプリックスは、2017年5月11日に2017年12月期第1四半期の決算で、営業外費用と特別損失の計上を発表した。このうち特別損失は、3月31日付で実施された出版事業グループ会社の売却に伴うものである。
アプリックスはテクノロジー関連の技術を中心とした会社だが、2010年頃よりコンテンツ関連事業の多角化を目指した時期がある。その流れのなかで、コミック出版社のフレックスコミックス、児童図書のほるぷ出版を買収していた。
しかし、2014年には、アプリックスはコンテンツ事業からの撤退をはじめ、アニメーション制作のAICも2014年1月に売却されている。出版部門は最後の残ったコンテンツ事業であったが、今年3月にアプリックスIPパブリッシングとフレックスコミックスは電子書籍のBookLiveへ、ほるぷ出版はフェニックス・ホールディングスに株式譲渡された。
譲渡価額はアプリックスIPパブリッシングが1億6000万円、フレックスコミックスが3900万円、ほるぷ出版が2億円。
売却当初より連結決算で、約3億円の特別損失が見込まれるとしていた。今回の発表では、株式売却損3億5000万円に加えて、株式譲渡のアドバイザリー費用、盤越し費用も含めて連結で4億6300万円とし、損失が拡大した。
しかし、これによりアプリックスはコンテンツ事業から完全に離れる。テクノロジー分野への回帰を鮮明にした。