映像関連の総合企業イマジカ・ロボットホールディングスの業績が拡大している。2月8日に発表した2018年3月期第3四半期決算では、連結売上高が644億円6400万円で前年比6.5%増となったほか、利益が大きく伸びた。営業利益は131.1%増の16億6400万円、経常利益は17億2100万円(63.7%増)、当期純利益は21億9700万円(136.3%増)である。
こうした数字は事前の予想を上回り、同社は通期連結決算の業績見通しの上方修正も明らかにしている。売上高は879億円から900億円に、経常利益は18億円から20億円に、当期純利益は23億円から24億円に引き上げられた。
業績の好調は、これまで足を引っ張っていたメディア・ローカリゼーション事業の大幅な改善によるところが大きい。第3四半期までで依然3億6200万円の営業損失であるが、前年同期の12億400万円の損失から大幅に改善された。売上高も180億4900万円と17.0%伸びている。
メディア・ローカリゼーションの主要な業務は、映像作品の多言語化を中心としたローカル対応である。多言語で国境を越えた配信をする映像配信プラットフォーム向けのビジネスが好調だった。配信ビジネスの成長が、翻訳業務にも及んだかたちだ。
アニメやCGのOLM、実写映像のロボットを抱える映像コンテンツ事業も売上げを伸ばしている。売上高は175億2300万円(19.0%増)、ただし営業利益は14.9%減少して7億300万円になった。利益面では映画の配分収入の減少が響いた。
映像のポストプロダクションにあたる映像制作サービス事業も好調だ。売上高は203億6000万円(7.9%増)、営業利益は9億1200万円(21.0%増)。こちらも映像配信プラットフォーム向けのエンコードとローカライズサービス、さらにデジタルシネマサービスが大きく増加した。時代のトレンドをうまく捉えたかたちだ。
映像システム事業は、売上高は96億2000万円(15.0%増)、営業利益は6億3500万円(70.1%増)である。放送局の中継におけるHDから4K移行増加による輸入システムの販売、自社開発テロップシステム、保守サービス、さらに中国向けの映像・画像処理LSI販売が増加した。