「ONE PIECE」米国で実写ドラマ化、集英社が発表 TOMORROW STUDIOSがプロデュース

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 日本、そして世界でも高い人気を誇る尾田栄一郎のマンガ『ONE PIECE』が、ハリウッドで実写ドラマ化されることになった。2017年7月21日、東京港区の東京ワンピースタワーで、『ONE PIECE』連載20周年記念記者発表会が開催された。その目玉として同作を連載する「週刊少年ジャンプ」の中野博之編集長から明らかにされた。
 実写ドラマ化は、米国のTOMORROW STUDIOSがプロデュースを手がける。放送局、配信プラットフォームなどのメディア、また公開時期は今回明らかにされなかった。しかし、テレビシリーズ史上最も高い制作費の大型タイトルを目指す。
 「週刊少年ジャンプ」編集部によれば『ONE PIECE』の実写映像化のオファーはこれまでにも多くあった。しかし今回の企画が、尾田栄一郎と編集部が考えるハードルを乗り越えられると考えたことから実現したという。交渉スタートから3年を経ての発表となった。

 TOMORROW STUDIOSは、2014年にテレビドラマの大物プロデューサーであるマーティ・アデルスタインと英国のITVのジョイントベンチャーとして設立された。アデルスタインは、『プリズン・ブレイク』や『アクエリアス 刑事サム・ホディアック』を初めとした数々のヒットドラマを手がけてきた。現在は、フランスのバンドデシネを原作にポン・ジュノが監督した映画『スノーピアサー』のテレビシリーズ版を制作中だ。
 また6月には国内大手アニメスタジオのサンライズが、やはりTOMORROW STUDIOS のプロデュースで、SFアクションアニメ『カウボーイビバップ』を米国で実写ドラマ化すると発表している。近年の日本アニメ・マンガの人気の高まりもあり、知名度の高い日本コンテンツの実写化を積極的に仕掛けているようだ。

 日本のコンテンツの実写化は、2000年代を通して米国ハリウッドで関心の高いビジネスであった。『ドラゴンボール』、『攻殻機動隊』、『All You Need Is Kill』など実際に映像化されたものも少なくない。一方でこれまでは劇場映画化が中心であったため、巨額の製作予算が前提となることがハードルとなり、実現しなかった企画も少なくない。
 その中でまず第1シーズン、人気があれば話数を重ねる実写ドラマは、リスクを抑えることが出来る点で映画よりも映像化が実現しやすい。さらに近年は、大手の映像配信会社が番組製作に乗り出すなど実写化のオプションも広がり、それだけにより多くの企画が求められている。この8月には、やはり「週刊少年ジャンプ」に連載された人気マンガ『デスノート』のNetflixオリジナル実写映画が公開を控えている。今後も、日本のマンガやアニメを原作にする驚くような企画が発表されることもありそうだ。

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