2018年1月25日から28日までの4日間、フランスで開催されたアングレーム国際漫画フェスティバルで、日本マンガが大活躍した。2018年は日仏修好160周年を記念して、いくつもの日本特集企画が設けられたが、最終日に発表したアワードでも日本から受賞が相次いだ。
まず大きく注目されたのは、遺産部門(Sélection Patrimoine)で楳図かずお『わたしは真悟』の受賞だろう。遺産賞は、世界に多く存在する傑作・名作でフランス語翻訳されたものから毎年1作品だけを選びだしている。アングレームの数ある賞のなかでもとりわけ受賞へのハードルが高い。日本からはこれまで、2009年に水木しげる氏の『総員玉砕せよ!』も選ばれている。
今年は世界各国から、日本からの『わたしは真悟』を含む8作品が候補に挙がっていたが、激しい戦いを制した。
『わたしは真悟』は、1950年代より少女マンガ、SF、ホラーなど数々の分野で傑作を残した楳図氏が、自身の様々は要素を注ぎ込んだ1980年代の長編大作。自我を持ったロボットの壮大な歴史を描いた。作品完成から30年以上経つが、世界のマンガ史のなかで燦然と輝く。
また日本から回顧展覧会開催のため現地を訪れていた浦沢直樹氏、そして真島ヒロ氏は、特別賞を受賞した。展覧会に加えて、フランスでのファンからの高い人気も反映したものだろう。
さらに浦沢氏はSNCFミステリー作品特別栄誉賞にも選ばれてダブル受賞となった。浦沢氏はこれまでにも2004年に『20世紀少年』で最優秀長編賞、2011年には『PLUTO』でインタージェネレーション賞を受賞している。通算で4つめのアワードとなる。