エッジの効いた映像づくりで定評のある日本のCGアニメスタジオ神風動画が、世界に向けて大作を放つ。2017年10月5日、米国・ニューヨークのジャビットセンターで開催されていたニューヨーク・コミコン内のパネルイベントで、新作アニメ『BATMAN NINJAニンジャバットマン』の製作が明らかにされた。 アニメーション制作は神風動画、監督は同スタジオの水崎淳平が担当する。2018年にリリースする。
メインステージで実施されたパネルイベント「First Look: Batman Ninja」は、日本のワーナー ブラザース ジャパンと米国のワーナー・ブラザーズ・ホームエンタテインメントが共同で主催する。発表の場にニューヨーク・コミコンを選んだことからも、『BATMAN NINJA』が日本だけでなく、当初からグローバルに向けて発信する作品であることが分かる。
多くの新作、大型発表の相次ぐニューヨーク・コミコンだが、現地の有力メディアは『BATMAN NINJA』の製作を大きく報じている。DCの人気タイトルと日本アニメの融合が関心を集めた。
有力スタッフの起用も、注目される理由だ。水崎淳平監督のほか、脚本に『キルラキル』、『天元突破グレンガラン』の中島かずき、キャラクターデザインに『アフロサムライ』の岡崎武士が参加する。さらに音楽は『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』、『軍師官兵衛』の菅野祐悟と豪華だ。
水崎淳平、岡崎武士、中島かずきは、今回の発表イベントにも参加した。彼らと共に世界初公開となる『BATMAN NINJA』の映像の一部が披露された。
神風動画は2003年に東京で設立されたCGアニメーションのスタジオ。大きな規模ではないが、先鋭的な映像づくりに定評がある。これまでその表現はゲームムービーやテレビアニメのオープニング、エンディングなどで発揮されてきた。アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズのオープニングや「星のドラゴンクエスト」といったゲームムービー作品でファンにお馴染みだ。
一方で近年は、中編映画『COCOLOS』を制作している。これが世界各地のアニメーション映画祭で上映されるなど、新たな活動が広がっている。『BATMAN NINJA』は国境を越えたプロジェクトとして、なかでも大きな挑戦になる。神風動画の公式サイトによれば、本作制作期間は3年に及んだという。
もうひとつ本作で注目されるのが、米国と日本のふたつの国のワーナー ブラザースが関わっていることだ。ワーナーは2011年より日本法人にてアニメ製作に本格参入しているが、これまでこの分野で日本と米国の連携はあまりなかった。
しかし2015年に米国のウェブアニメ『RWBY』を、日本法人のアニメ部門が配給。さらに今回もグループの有力コンテンツであるバッットマンを日本の制作チームでアニメ化するなど国境を越えた動きが強まっている。今後同社がさらにグローバルな展開も期待される。