日本アカデミー賞協会は、2021年3月19日に東京港区のグランドプリンス新高輪で、第44回日本アカデミー賞の授賞式を開催、この場で各部門の最優秀賞が発表された。このうち最優秀アニメーション作品には、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が決定した。
最優秀作品候補tなる優秀賞には他に『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』、『えんとつ町のプペル』、『ジョゼと虎と魚たち』、『STAND BY ME どらえもん 2』があったが、これらをかわした。『鬼滅の刃』は2020年10月公開以来、一大ブームを巻き起こした話題作。映画産業を救ったとも言われるだけに、誰もが納得と言っていいだろう。
『鬼滅の刃』は最優秀音楽賞でも、同作の劇伴を担当した梶浦由記さん、椎名豪さんが受賞している。昨年の『天気の子』のRADWIMPSに続き2年連続でアニメ映画からの最優秀音楽賞となった。
梶浦由記さんは1993年にSee-Sawのコンポーザー兼キーボディストとしてデビュー。その後、『ソードアート・オンライン』、『魔法少女まどか☆マギカ』など数多くのヒットアニメの劇伴を手がけてきた。その活躍の場は、実写映画やNHK『歴史秘話ヒストリア』、連続テレビ小説『花子とアン』などにも広がる。本名は椎名豪(しいな・まさる)。
椎名豪さんは『テイルズオブレジェンディア』や『ゴッドイーター』などゲーム楽曲を多く制作。『アイドルマスター』の音楽制作などが代表的な仕事だ。今回はアニメ音楽で大きな栄冠に輝いた。
さらに『鬼滅の刃』は話題賞作品部門でも受賞している。3部門での受賞は、同作の快進撃に相応しい結果であろう。
アニメーション関係では、アニメーター・キャラクターデザインとして安彦良和氏が協会特別賞を受賞している。安彦良和氏は1970年に虫プロを起点にアニメのキャリアをスタート。数々の人気アニメの作画、キャラクターデザインで活躍した。『クラッシャージョウ』、『アリオン』では監督、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』シリーズでは総監督も務め、さらにマンガ家、イラストレーターとしても活躍した。
しかし何よりも多くの人の記憶に残るのは、ロボットアニメの金字塔『機動戦士ガンダム』だろう。同作で作画監督とキャラクターデザインを担当している。受賞理由では「社会現象ともいえるブームを巻き起こし、それまで子ども向きとされていたアニメを大人も楽しめるものとして可能性を広げることに貢献した」としている。
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