東京・大田区にマンガ本2000冊の民泊施設が出現 アニメ宣伝のスロウカーブが新ビジネス


近年、観光地としての日本の魅力が高まるなか、日本を訪れる観光客の数はうなぎ登りだ。そうしたなかで問題になっているのが宿泊施設の深刻な不足である。そこで国が導入したのが国家戦略特別区域法の旅館業法特例(特区民泊)だ。従来の旅館業法の特例として、宿泊以外の目的で作られた民間施設の中で基準に合致したものの宿泊利用を可能にする。
2016年1月より、まず東京・大田区で導入された。この制度を利用したユニークな民間宿泊施設がこのほど登場した。大田区の東急池上線石川台駅から徒歩3分の建物に設けられたその部屋には、なんと2000冊を超えるマンガが備えられている。宿泊中は、これらのマンガが読み放題になる。

プロジェクトを企画したのは、アニメなどの宣伝を手がける東京・千代田区の株式会社スロウカーブである。アニメやマンガファンをよく知るなかでのノウハウを活かす。
部屋に用意されるマンガは、シリーズものから短編、さらに懐かしのマンガ雑誌から最新作、2000冊のボリュームならではの多彩なジャンル。普段は手に取らない作品を知ることもできる。マンガはメインスペースのほか、トイレや洗面所、バスルームなどにも設置。マンガに囲まれた異空間体験も楽しめる。さらにゲーム機も設置されている。

部屋にはエアコン(冷暖房)、冷蔵庫、電子レンジ、アイロン、炊飯器、ケトル、調理器具、食器のほか、バスタオルやフェイスタオル(人数分用意)、シャンプー、石鹸、ドライヤーも用意されている。インターネットも利用可能だ。
申し込みは、宿泊施設紹介の「airbnb」を通じて行う。宿泊は6泊以上から60日まで、価格は現在サイトを確認すると一泊約1万円から、これに清掃料金とサービス料金が加わる。1名から4名まで利用出来るので複数人で利用すれば、ビジネスホテルと比べてもかなり割安だ。

現在、増加中の日本への観光客には、日本のアニメやマンガのポップカルチャーを目的とする者も少なくない。マンガをコンセプトにした宿泊施設は、そうした人たちのニーズにぴったりだ。2000冊以上のマンガのアイディアも、民泊ならではといえる。
逆にこうしたテーマ性の高い宿泊施設はまだまだニーズがありそうだ。マンガ部屋宿泊施設がどんな反響を巻き起こすのか、今後の展開に期待がかかる。

「2000冊を超えるマンガに囲まれた部屋」
詳細 https://www.airbnb.jp/rooms/14406753?preview
*宿泊施設、申込み条件の詳細は上記サイトにて確認ください。

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