大手商社の住友商事が、国際的なエンタテイメントビジネスにさらに足を進める。2017年4月26日、住友商事の米国法人である米州住友商事会社は、米国・カルフォルニア州に拠点を持つチャーニン・グループ(The Chernin Group, LLC)と戦略的パートナーシップで協定を結んだ。
チャーニン・グループは、エンタテイメントメディアとテクノロジーの投資会社で、映画プロデュースやデジタルメディア事業立ち上げで実績のあるピーター・チャーニン氏が2010年に設立した。同社との提携を通じて、住友商事はメディア・エンターテインメント分野での資本・業務提携を進める。グローバルなエンタテインメントビジネスの足掛かりとする。
チャーニン・グループは設立から歴史は浅いが、創業者のピーター・チャーニンの映画・放送業界での豊富な経験と人脈、そして独自の投資戦略で急成長している。すでに米国のエンタテイメント業界で大きな存在感を持つ。エンタテイメントそのものと、エンタテイメントを支える新しいテクノロジー、そしてアジア地域を特に重視している。
主要なグループ会社には、『猿の惑星 創世記』をはじめハリウッドの大作映画を製作するチャーニン・エンターテインメント、インドやインドネシアに投資するCAメディア、そしてAT&Tと共同出資で運営するデジタルメディア事業のオッターメディアがある。
日本のエンタテイメント業界には現在はオッターメディアが一番かかわりが深い。チャーニン・グループは2013年に日本アニメ専門のグローバルな映像プラットフォームであるクランチロールを買収、現在は、オッターメディア傘下のイレーションがクランチロールを運営している。クランチロールは、世界最大の日本アニメの配信事業者で有料会員数は100万人を超える。
住友商事は2016年にクランチロールと日本アニメに製作出資するコンテンツファンドを設立している。またそうした事業のつながりが、より大きなビジネスの取り組みにつながったとみられる。
住友商事とイレーション(クランチロール)だけでなく、チャーニン・グループの企業と様々な分野で提携する。日本のアニメや映画・テレビドラマの企画、さらにインターネット分野で事業展開を目指す。