Netflix 米国のコミック出版社Millarworldを買収

Netflix

 世界最大規模の映像配信プラットフォームのNetflixが、2017年8月7日に米国のコミック出版社Millarworldを買収したことを発表した。買収金額などは明らかにしていない。
 Millarworldは、イギリス出身の大物コミックアーティストのマーク・ミラーと妻のルーシー・ミラーが2004年に創立した。『キック・アス』、『キングスマン』といったヒット作がある。

 Netflixは番組配信だけでなく、近年は自社オリジナルのテレビシリーズや映画の開発に積極的だ。しかし、これまでは作品の配信権獲得が中心で、コンテンツそのものや制作会社は保有してこなかった。原作となる作品やその会社を直接保有するのはMillarworldが初めてになる。
 NetflixとMillarworldは、「Netflix」レーベルのもと共同でMillarworldが扱うキャラクターの登場する番組開発を目指す。映画やドラマシリーズ、子ども向け作品といずれもNetflixの独占タイトルとなる予定だ。

 年間売上高1兆円に迫るNetflixにとって、コミック出版社のなかでも比較的小さなMillarworldを買収するのはビジネス規模では驚きは少ない。今回、サプライズなのは、Netflixが映像化の原作となる出版社を買収することで、IP(知的財産)の囲い込みに動きだしたことである。
 一方で最初の買収の相手が、アメコミ出版であったことは納得がいく。アメコミ原作の映画やドラマシリーズ、アニメーションは人気が高いが、現在、そのほとんどがマーベルとDCの二大コミック出版社の作品を原作としている。ところがマーベルはウォルト・ディズニーグループ、DCはワーナー・ブラザーズグループに属している。両社は、ドラマシリーズだけでなく、映画分野への進出にも積極的なNetflixにとってライバルでもある。ライバルに原作の供給を依存するのは危険だ。そこで小さいながらも映像化作品の成功の経験もあるMillarworldが、Netflixにとって魅力的なパートナーに映ったわけだ。

 Millarworldとっても、Netflixとの連携はありがたい。もともとマーク・ミラーを初めとした複数のアーティストが自身の作品の権利を自分で保有することを目的に設立されたのがMillarworldであった。同社がマネジメントする作品からは『ウォンテッド』や『キック・アス』といったヒット映画は出ているが、アーティストの力だけでは映像展開の交渉力が不足している。Netflixの傘下に入ることによって、これらが強化される。
 Netflixはマーク・ミラーのもと、新しいコミックの独自世界(ユニバース)も目指すという。コミック業界のなかでは小さな存在であるMillarworldが、Netflixのサポートを受けることで、今後、大きな成長を遂げるのかも関心を呼びそうだ。

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