クラウドファンド史上で最もお金を集めたアニメ企画「Dies irae」 TVアニメ10月開始

TVアニメ『Dies irae』

 2015年にクラウドファンディングにて、1億円近い資金を集めたアニメ企画『Dies irae』のリリーススケジュールが明らかになった。ファンド終了から約2年になるが、製作者より2017年10月よりテレビアニメとして放送することが発表された。
 原作はゲーム開発のlight、作品のプロデュースをGENCO、アニメーション制作をACGTが担当する。監督は『まじっく快斗1412』や『南鎌倉高校女子自転車部』の工藤進。聖槍十三騎士団の戦いに巻き込まれた少年・藤井蓮らの伝奇バトルを描く。

 『Dies irae』は、2004年にGreenwoodの音楽レーベルlightからリリースされたPCゲームがスタートになる。第1作のヒットを受けてシリーズ展開されている。多くの熱狂的ファンから支持を受ける。
 そうした熱いファン層を背景に、2015年5月から7月にかけてアニメ化に向けてクラウドファンディングを実施した。当初、3000万円集まればアニメ化するとしていたが、最終的には予想を上回る5188人の支援者から9656万858円の資金が集まった。これは企画から、アニメーション制作の実現を目指した国内のクラウドファンディングでは、史上最高額となる。

 また『Dies irae』アニメ化プロジェクトでは、予想を上回る資金が集まったことから、より予算規模の大きなテレビアニメシリーズとして2017年に放送開始予定としていた。テレビシリーズ製作には、通常は1クールで2億超の資金が必要となるが、当初のクラウドファンディングで集められた資金がきっかけ、そして中心となったと言っていいだろう。
 さらに注目されるのは、当初予定スケジュールどおり、2017年の放送に漕ぎつけたことであろう。テレビアニメは、企画の初期段階から含めると2年以上かかることが多い。また、テレビ放送枠の獲得やなど計画どおり進めるには困難が多い。ファンド終了から2年の期間は短くはないが、ファンの希望をうまく叶えることに成功した。
 
 多くの支援者から資金を募りプロジェクトを実現するクラウドファンディングが、日本アニメで活用されたのは2012年頃。その間に、『リトルウィッチアカデミア』、映画『この世界の片隅に』といった成功例も生まれている。
 一方で、当初に期待されたほど広がってないのが現状だ。それはアニメ企画から制作につながるプロジェクトであれば、製作資金は億単位、作品完成までの期間が2年以上、完成保証も十分でないと、想像以上に実現のハードルが高いことにある。TVアニメ『Dies irae』は、こうした懸念をクリアした先例として、今後の新たなクラウドファンディングにもつながる成果といえる。

TVアニメ『Dies irae』
http://diesirae-anime.com/

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