Kickstarter活用でアニメ制作支援、JETROが5作品のクラウドファンディング実施

日本貿易振興機構(JETRO)とKickstarter

 クラウドファンディングを活用して、日本のアニメーション制作会社が持つオリジナル企画の実現を目指す。そんな試みが2023年1月10日から日本貿易振興機構(JETRO)とKickstarterの協力でスタートしている。
 国内制作会社が、それぞれのアニメ企画と目標を掲げたクラウドファンディングプロジェクトを立ち上げている。参加企業と作品は、『Future Kid Takara (スタジオよんどしぃ)。『幕末陰陽師・花』 (パブリックアーツ)、『サムライ・パイレーツ』 (ピコナ)、『てっぺんのおへや』 (ゴリラ)、『平家物語絵巻』 (エクラアニマル) の5つだ。それぞれが作品やパイロット映像制作、ファンコミュニティの設立、ムービーブック制作などのプランを紹介し、資金協力を募っている。クラウドファンディングは2月13日まで受け付ける。

 プロジェクトの特徴は、日本企業の海外展開をサポートするJETROがコーディネイトしていることである。「米国のクラウドファンディングを活用したアニメーション海外展開支援事業」の一環だ。
 近年、日本アニメの海外市場は急拡大しており、JETROは毎年実施しているアニメ商談会に加えて、クラウドファンディングの大手Kickstarterと連携することで新しいかたちの企業支援を目指している。 支援作品は公募により、海外展開に意欲を持つ日本のアニメ制作会社を決定した。

 クラウドファンディングを立ち上げの狙いは資金調達だけでなく、作品の認知度の向上やファンコミニティの形成にもある。そこでプロジェクトにあたっては、様々な施策が合わせて実施されている。
 まずクラウドファンディングの作品ごとのページだけでなく、Kickstarterによる特集ページも設けられている。JETROは各作品のページ作成やリワードの設定のコンサル、プロモーションなども支援している。さらにAnime ExpoやAnime NYCなどの米国の大規模アニメイベントや大手サイトMyAnimeListなどのファンコミュニティに向けたプロモーションやメディアに向けた露出も展開する。

[プロジェクト一覧]
■『Future Kid Takara』 (スタジオよんどしぃ)
https://www.kickstarter.com/projects/studio4c/brand-new-original-animated-film-by-studio4c
■『幕末陰陽師・花』 (パブリックアーツ)
https://www.kickstarter.com/projects/publicarts/hana-the-last-diviner
■『サムライ・パイレーツ』 (ピコナ)
https://www.kickstarter.com/projects/picona/samurai-pirates
■『てっぺんのおへや』 (ゴリラ)
https://www.kickstarter.com/projects/profile001/head-to-the-top-loft-an-original-moving-picture-book
■『平家物語絵巻』 (エクラアニマル)
https://www.kickstarter.com/projects/ekuraanimal/original-animated-story-heike-monogatari-emaki

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