東京千代田区に本社を持つ株式会社WOWMAXが、米国カリフォルニア州グレンデールのHollywood Production Centerに、自社が運営する音響スタジオ「WOWMAX Studios」を開設した。スタジオは日本の映像コンテンツの英語吹替版、字幕版を制作する。さらに英語を原盤に、多言語ローカライズ、音声制作を行う。
インターネット動画配信の普及により、海外で日本のアニメやドラマのニーズが高まっている。WOWMAXはこれに対応するクオリティの高いローカライズを目指す。
株式会社WOWMAXは、北米の映像や放送ビジネスに精通した海部正樹氏が代表取締役を務める映像コンテンツのプロデュース会社。ロサンゼルスにグループ会社のWOWMAX NEXTを持つ。
海部氏は、長年、日本と北米をつなぐ多数のビジネスに関わってきた。これまでは企画開発、コンテンツ市場調査、映像翻訳、マーケティング支援などビジネスプロデユースを中心にしてきたが、新たに多言語映像翻訳(ローカライズ)分野を強化する。
日本コンテンツの多言語翻訳は、海外輸出の活発化と共に、重要性が高まっている。しかし、これまでその多くは字幕にとどまっていた。それは北米のコアなアニメファンは日本語そのままでの番組を求めるとされてきたからだ。
しかし、実際にはよりソフトなファンには、自国語の吹替版を望む声も大きい。近年の世界的な日本アニメファンの増加は、こうしたソフトな視聴者も拡大に支えられている。今後。これまで以上に吹替版のニーズが高まると見られる。しかし、現在、米国のネットワークテレビのスタンダートに達するレベルのローカライズ機能は十分ではない。
そこでWOWMAXは自社音響スタジオを持つことで、このクオリティを実現する。同社の強みは、音声制作のための翻訳、俳優のアレンジ、収録まで全ての機能を自社で持っていることだ。
WOWMAX Studiosの立地するグランデールは、デイズニーやワーナーブラザース、ドリームワークスのスタジオも集積するエリアである。このなかにあるHollywood Production Centerには、映像関連事業者が集まる。ここに最新の機材を導入する。スタッフは現地で活躍する俳優や声優、翻訳家、技術者となる。
これまでもアニメなど日本番組に強みを持つスタジオは現地にあったが、WOWMAXは日本企業ということもあり、日本語版との整合性により力を発揮するとみられる。
株式会社WOWMAX
http://wowmax.co.jp/